焦っているとき、どんな表情をするか。
ここがポイントです。
焦っているときは、焦った表情をするのが普通でしょう。
唇を噛み締める。
眉間にしわを寄せる。
まばたきの回数が増える。
額から脂汗がにじみ出る。
呼吸が荒くなる。
余裕がなくなり、切羽詰まった状況になれば、焦りの表情になります。
いらいらした雰囲気が出ることも少なくありません。
焦っているのですから、焦った表情になるのも当然に思えます。
しかし、ここに改善ポイントがあります。
焦っているときに焦った表情を見せているのは、よいことではありません。
焦った表情をしていると「余裕がない。追い込まれている」という自覚を促します。
呼吸が浅くなると、酸素が欠乏して、ますます焦ってきます。
表情筋から脳に信号が伝わると、脳がストレス物質を分泌して、ネガティブな感情を生み出します。
心の余裕がどんどん失われ、焦りがエスカレートするのです。
対人関係にも悪影響があります。
焦った表情を見せていると、相手まで不安にさせてしまうでしょう。
「つらそうだ」「大丈夫だろうか」と心配させ、一緒にいる相手まで焦りが出てくるでしょう。
焦っているときこそ、焦った表情を見せないこと。
では、どんな表情がふさわしいのか。
焦っているときこそ、落ち着いた表情をしましょう。
問題が発生していても、焦った表情は見せず、平気な顔をします。
もちろん演技でかまいません。
心の中ははらはらしていても、表向きは平然を装います。
心臓の鼓動は高鳴っていても、表向きはあくまで落ち着いた表情を見せましょう。
そんな余裕はないかもしれませんが、騙されたと思って試してみてください。
落ち着いた表情をすると、だんだん心に変化が出てきます。
落ち着いた表情をしていると「自分は今落ち着いている」という暗示の力が働きます。
不安定だった心が安定して、冷静と平常心を取り戻しやすくなる。
結果として、余裕を取り戻すのも早くなります。
どうしても表情に力が入るなら、口元の広角を少し上げ、軽くほほ笑む表情を意識するといいでしょう。
落ち着いた表情になるので、自然と余裕のあるような表情に見えてきます。
表情筋も緩むので、リラックスもしやすくなります。
心が乱れているときほど、落ち着いた表情は難しいかもしれませんが、できるかぎり心がけてください。
普段の習慣として身につけておくのがいいでしょう。
落ち着くから、落ち着いた表情になるのではありません。
落ち着いた表情をするから、落ち着いてきます。
焦っているときこそ、落ち着いた表情が最適なのです。