疲れたときに出やすいのが、ため息です。
心や体に疲れがたまると、だるさをどうにかしたくて、大きなため息をつきたくなるでしょう。
かすかに声を出しながら、大きく息を吐く。
ため息をついた瞬間、少しストレスが軽くなるような気がします。
もちろんため息に罪はありませんが、少し注意が必要です。
ため息は、少なくとも気持ちのいい行為ではありません。
ため息をつくと、ため息を自分が聞くことになります。
「自分は疲れています」と自己暗示をかけているのと同じことになり、ますます気持ちが落ち込みます。
何度もため息をついていると「自分はかわいそう」という雰囲気も出ます。
気持ちも雰囲気もますます暗くなってしまい、ネガティブ思考がエスカレートするのです。
悪影響はそれだけではありません。
想像してみてください。
人のため息を聞いたとき、どんな気持ちになるでしょうか。
たとえば、目の前にいる人が大きなため息をつくと、自分まで暗い気持ちが伝わってくるのではないでしょうか。
不機嫌でなくても、不機嫌の様子が出るでしょう。
「疲れている」「もう嫌だ」と言っていなくても、そう言っているような雰囲気があります。
相手に悪気はないでしょうが、少なくともいい気分はしないはずです。
相手がため息をつくと、自分まで元気がなくなります。
あなたがそう感じるように、相手もそう感じるのです。
ため息は、ウイルスのように伝染する作用があります。
できるだけため息を避けておくのが得策です。
ため息はネガティブなのです。
ため息をつきたくなったら、代わりに心がけたいことがあります。
深呼吸です。
大きく息を吸った後、鼻からゆっくり息を吐きましょう。
息を吸うより吐くのに時間をかけるのがポイントです。
深呼吸をすると、大きく息を吸うことになるので、酸素が吸収されて元気になります。
冷静を取り戻しやすくなり、疲れから解放されます。
酸素が脳に供給されることで、頭の回転もよくなります。
心を落ち着かせたいときにも、深呼吸は有効です。
深呼吸は、自律神経を安定させる作用があるため、気持ちがいらいらしているときに役立ちます。
仕事に行き詰まったとき深呼吸をすれば、発想力と想像力が高まり、いいアイデアも浮かびやすくなります。
何度か深呼吸を繰り返すと、心が安定して、ポジティブ思考に向かっていくでしょう。
深呼吸には、不快感がありません。
一緒にいる人は「気合を入れようとしているのかな」と思うでしょう。
たくさん空気を吸い込む様子は、気持ちを引き締めて頑張ろうとしている様子に見えます。
ため息も深呼吸も動作は似ていますが、効果も印象もまったく違います。
ため息はネガティブですが、深呼吸はポジティブなのです。