習い事をしていると、仲間が辞めようとする場面に出くわすことがあります。
大切な仲間が辞めていくのは悲しいこと。
特に親しい人であればなおさらです。
事前に相談してくれればいいものの、急に辞めると言うのです。
「なぜ急に? 何があったの? 辞めないで。今までの努力がもったいない」
そんな気持ちから、つい引き留めたくなるものです。
何とか考えを改めてもらおうと、説得を試みることが多いのではないでしょうか。
もちろんそれはそれで自然なことではありますが、引き留めるのならマナーがあります。
引き留めるなら「1回まで」が原則です。
辞めようとするのは、本人の意思です。
相手の意思を無理に変えさせようとするのは控えるほうが良いのです。
習い事を辞める理由は、人それぞれです。
やる気の低下、経済的な事情、先生との相性、人間関係の悩み、家庭の都合……。
複数の事情が重なることもあります。
人に言えない事情もあるかもしれません。
多くの場合「辞める」と決めた時点で、すでに本人の中では結論が出ています。
昨日や今日の思いつきではありません。
時間をかけて出した答えなのです。
引き留められることで「自分が必要とされている」と感じ、嬉しく思う人もいます。
しかし、そうでない人がいることも理解してください。
引き留めることが、相手にとって重荷と感じることもあります。
すっかり習い事から気持ちが離れているのに、無理に続けさせるのも酷です。
習い事を続けている間は授業料がかかって経済的な負担も増えます。
無理に引き留めるのは逆効果になりかねません。
引き留める気持ちが強すぎると「しつこい人」「空気が読めない人」として距離を置かれることさえあります。
無理に引き留めるのは、その人の新しい人生を邪魔することにもなりかねないのです。
だからこそ、辞めようとする生徒を引き留めるなら、1回までです。
本人の意思を尊重しましょう。
辞めたい人は辞めたいのです。
1回説得してダメなら、そこからは態度を改め、きっぱり相手の考えを受け入れましょう。
大切なのは「気持ちよく送り出す姿勢」です。
「残念だけど、新しい人生を応援しているよ!」と明るく言えばいいのです。
それが大人のマナーでもあるのです。