「不吉な前兆」といわれる現象があります。
「洋服が破れる」「嫌な夢を見る」「食器が立て続けに割れる」「黒いネコが前を横切る」「カラスの大群を見かける」などなど。
ほかにもまだまだたくさんありますね。
不吉な前兆と呼ばれる現象を見かけると「近いうちに何か悪いことが起こるのではないか」と不安を感じるものです。
なんとなく嫌な感じがして、すっきりしません。
しかし、不吉な前兆は信じなくていいのです。
科学的根拠がないからです。
不吉な前兆を信じると、いちいち不安に駆られます。
それを見かけるたびに「悪いことが起こるかもしれない」と心配になり、嫌な胸騒ぎに悩まされます。
まだ悪いことは起こっていないのに、悪いことが起こったかのような暗い気持ちになります。
明るい気持ちで生きることを阻害するのです。
昔オーストラリアでは、先住民アボリジニの間で「オーロラは不吉な前兆」とされていました。
オーロラは赤や紫の色をしていることから「火」「血」「死」を連想させていたからです。
もちろんオーロラはただの自然現象です。
原因は解明されています。
オーロラは「太陽風」と呼ばれる、太陽からのプラズマの流れが、地球の大気と衝突したときに生まれる現象です。
不吉なことが起こるという科学的根拠はありません。
オーロラを見たからといって不幸が起こることはないのは、ご存じのとおりです。
本当にオーロラが不吉な前兆というなら、世界各国のオーロラ鑑賞ツアーは大変なことになっているでしょう。
これを同じように、私たちの日常における不吉な前兆も科学的根拠はありません。
洋服を着ていれば、破れることもあります。
嫌な夢を見ることも、普通にあります。
食器を使っていれば、立て続けに割れることもあります。
街を歩いていれば、黒いネコが前を横切ることもあります。
カラスが大群になって飛ぶこともあります。
よくよく考えてみれば、よくある普通の日常だし、不吉なことが起こるという科学的根拠もないのです。
不吉な前兆があっても「ただの偶然」で片付けましょう。
科学的根拠がないことは、不安になったところで仕方ありません。
そもそも不吉な前兆も信じません。
信じなければ、余計な不安を感じなくて済むのです。