完璧主義は、何事も完全な達成を目指そうとします。
最初に自分にノルマを課して、それを達成できなければ、自分を責めてしまいます。
「完了しなければ納得できない」
「最後までやりきらなければ満足できない」
「未達成なんてもってのほか」
何事も完全な達成を目指そうとする一方、未達成で満足する経験が足りません。
完璧主義を治すためには、未達成でも満足する経験を増やしていく必要があります。
中途半端な状態でも、満足できるトレーニングといってもいいでしょう。
中途半端には、ネガティブな印象が伴いますが、あえて考えないようにします。
完璧主義者にとっては性格に反するため、言語道断とも思える取り組みですが、ぜひ取り組んでみてください。
反発を感じるからこそ、取り組む価値があります。
何度かトレーニングしていると、心のコントロールがうまくなり、未達成でも満足感が得られるようになります。
たとえば、読書です。
完璧主義者は、最後まで読み切らなければ満足感を得られませんが、あえて途中で読むのをやめてみます。
200ページのうち、残り20ページ残して読み終えてみます。
最初は気持ち悪くて落ち着かないかもしれませんが、これもトレーニングの一環です。
このとき、大切なポイントがあります。
読めなかった部分は気にせず、読めた部分に集中しましょう。
「20ページを残してしまった」と思うのではなく「少なくとも180ページは読めた」と考えます。
達成できた部分に着目すれば「これだけ読めた。よく頑張った」と自分を認めることができ、満足感を得やすくなります。
運動の場合も同じです。
たとえば、3キロのランニングをするつもりで、わざと2キロ時点で終えてみます。
このときも、達成できなかった部分より達成できた部分に注目しましょう。
「目標の3キロを達成できなかった」と思うのではなく「少なくとも2キロは走れた」と考えます。
達成できた部分に注目すると、焦りやいらいらが抑えられます。
考え方を切り替えれば、未達成の状態であっても、一定の満足感を得られるようになります。
どうしても気持ちが落ち着かないなら「無理をしないほうが長続きする」という考え方がおすすめです。
無理やり達成するより、こつこつマイペースで進めるほうが、最後に大きな成果を達成できます。
ポジティブに考えることで、罪悪感に悩むことが少なくなり、心が軽くなります。
こうした取り組みを繰り返していくにつれて、心のコントロールがうまくなります。
未達成で満足する経験を積み重ねていくにつれて、完璧主義が治っていきます。