世間では「諦めるのは悪いこと」という風潮があります。
勉強・スポーツ・仕事。
たしかに努力もしないですぐ諦めるのはよくありません。
難しいことがあっても、それが仕事なら取り組まなければいけません。
最初はうまくできなくても、勉強や練習をしていけば、だんだんできるようになります。
頑張ることは可能性を高めること。
頑張った分だけ、成功に近づけます。
できないことがあれば、できるようにする考え方は大切です。
夢や目標をもって生きることは、人生の張りになり、生きがいにもなります。
しかし、現実世界では、きわめて実現が困難なことも存在します。
今から練習を始めてオリンピック選手になるのは、不可能ではありませんが、大変困難でしょう。
今すぐ会社を辞めて、宇宙飛行士になる夢を追いかけるのは、不可能ではありませんが、現実的に厳しいでしょう。
上場企業の激しい出世争いに勝ち抜いて社長まで上り詰めるのも、不可能ではありませんが、厳しい競争になるのは確実です。
ほぼ不可能なことに執着していると、費用・時間・労力に際限がありません。
特に完璧主義者は「諦め=悪」と考える傾向が強い。
出口の見えないトンネルに迷い込んで抜け出せなくなる。
ゆくゆくは人生を破滅させてしまう危険性もゼロではありません。
断念しないで続ける姿勢は素晴らしいですが、むやみに続けることも、大きなリスクが潜んでいるのです。
そこで大切にしたいのは「諦め」です。
ほぼ不可能なことは、潔く諦めることも大切です。
諦めれば、無限ループから解放され、それ以上は苦労しなくて済みます。
もし完璧主義の性格が諦めを妨げるなら、よい考え方があります。
諦めることを「前進」と考えてみましょう。
諦めるといえば、ネガティブに考えがちですが、ポジティブに考えてみる。
自分の限界を受け入れることで、別の選択肢を選べるようになりました。
上手に諦めることで、別の光が見えてきました。
方向転換をすることで、別の道を歩めるようになりました。
つまり、前進なのです。
「もう頑張らなくていいよ。もう諦めて、次に進もうよ」
そう自分に語りかけると、完璧主義の固い心が柔らかくなっていくでしょう。
上手に自分を許していくことが、完璧主義を治していくことでもあります。