完璧主義は、嫌われる性格でしょうか。
嫌われる原因になるのでしょうか。
これは、時と場合によって異なります。
完璧主義には、メリットとデメリットの両方があります。
完璧主義は、妥協せず、納得するまで徹底する性質があります。
細かく丁寧に作業をこなし、責任を持って仕事を徹底する姿勢は、周りから一目置かれるでしょう。
熱意と意欲を持って集中的に取り組むことで、仕事で素晴らしい結果を発揮できます。
事実、指導者・責任者・代表者など、人の上に立つ立場には完璧主義者が多く見られます。
活躍の場を正しく選べば、大きな強みであり武器と言えるでしょう。
時には優れた才能を発揮して、偉業を成し遂げる可能性もゼロではありません。
しかし一方で完璧主義の程度がひどい場合、嫌われやすくなる可能性があります。
本人に悪気はなくても、いつの間にか周りに迷惑をかけている場合があるからです。
たとえば、完璧主義者は、仕事の完了が遅くなる傾向があります。
自分が納得するまで妥協せず突き詰めるので、仕事の完了までに時間がかかります。
本人はいいかもしれませんが、待たされている側はいらいらするでしょう。
ビジネスなら、たった1人のせいで、計画全体が遅れる可能性があります。
「完璧でなくてもいいから早くしてほしい」と思い、迷惑になることがあります。
また、人に仕事を依頼するときも、完璧主義は嫌われることがあります。
完璧主義者は、自分の方法が一番だと信じ、考え方や価値観を押し付ける傾向があります。
相手に依頼した仕事に少しでも不備や間違いがあれば、すぐいらいらして文句を言います。
「きちんとできていない。もっと完璧に仕上げてほしい」と相手を責めてしまいます。
ぴりぴりした雰囲気も漂いやすくなり、周りの人が抵抗を感じることもあります。
人間関係の摩擦が生まれやすいため「厄介な人」「この人に関わると面倒」と思われやすいのです。
こうした事情があるため、極度の完璧主義者は、嫌われやすい傾向があります。
性格とはいえ、知らないうちに嫌われている原因になっているのは不本意でしょう。
悪いことをしていないのに、人が自分を避けるのは心苦しいはずです。
なにより完璧主義は、自分の健康にも影響することがあります。
完璧主義がエスカレートすると、鬱病・摂食障害・強迫性障害などの神経症に発展する可能性があります。
人によっては、燃え尽き症候群になってしまい、無気力・無感動・自責の念にかられる場合もあります。
懸命に仕事をした結果、健全な精神や健康的な生き方を妨げるのはつらいこと。
したがって、完璧主義の程度がひどいなら、自分のためにも他人のためにも、できるだけ改善を心がけるのが賢明です。
完璧主義は治せる性格です。
今すぐ治すのは難しいかもしれませんが、少しでも程度を抑える努力をしたほうがいいでしょう。
余裕のある習慣を心がけたり、正しい考え方を身につけたりしていけば、少しずつ改善していけます。
完璧主義が治った自分を想像してみてください。
あなたはもっと心が軽くなっています。
完璧主義が治れば、人付き合いの摩擦が減り、もっと明るい生活が送れるようになります。