スピーチやプレゼンの本番直前に、あれこれ考えるのはよくありません。
心理的に本番直前は心配や不安が高まり、いろいろなことを考えたくなるでしょう。
「最初に○○を話して、次は○○を説明して、それから○○の話題に移って……」
もちろん練習段階なら、あれこれ考えるのはいいでしょう。
しかし、本番直前に全体を振り返るのはよくありません。
あれこれ考えたほうが復習になってよさそうな気がしますが、注意が必要です。
過度の緊張やパニックを招く危険があるからです。
脳のワーキングメモリーは、容量に限界があります。
一度に多くのことを考えると、ワーキングメモリーの許容範囲を超えてしまいます。
情報の整理が難しくなって、頭が混乱してしまうのです。
練習を十分したにもかかわらず、本番で急に頭が真っ白になる人がいますが、あれこれ考えていることも一因になっています。
思考の限界を超えた結果、記憶が飛んでしまうのです。
人前での発表直前は、あれこれ考えるのではなく、最初の部分に集中しましょう。
たとえば、スピーチやプレゼンなら導入部分。
面接なら自己紹介や自己PRです。
最初の部分に集中していれば、考える範囲が限られるため、思考や情報を整理しやすくなります。
出だしは、全体の流れや雰囲気を作る大切な瞬間でもあります。
最初がうまくいけば、調子が出て、冷静になれます。
後は自然と体が動き始めるでしょう。