緊張したときに厄介なのが、震えです。
軽い緊張なら特に異変はありませんが、緊張が一定の水準を超えると、声や手足が震え始めます。
声の震え、手の震え、足の震え。
声が震えると、言葉にも詰まりやすくなり、失言を増やす原因になります。
体ががくがく震え始め、抑えようと思っても、なかなか抑えられません。
むしろ抑えようとすればするほど、逆に震えが大きくなる場合もあります。
大勢の人前で発表するとき、緊張による震えで悩む人も多いのではないでしょうか。
さて、あらためて考えると不思議な現象です。
寒くて震えるなら理解できますが、極度に緊張したとき震えるのはなぜでしょうか。
結論から言うと「筋肉のけいれん」なのです。
震えに至る流れを説明します。
極度に緊張すると、興奮による影響で、自然と喉や手足に力が入る状態になります。
緊張状態とは臨戦態勢の状態なので、普段より力が入りやすい状態になります。
すぐ力を抜いてリラックスすれば異常は起こりませんが、筋肉に力を入れた状態がずっと続くと、次第に筋肉が疲労します。
すると、疲労物質である「乳酸」が、力を入れている喉や手足などの筋肉に蓄積され始めます。
乳酸の蓄積がある一定量に達すると、筋肉が異常を検知して、けいれんを起こし始めます。
これが、震えとなるのです。
つまり、緊張による声や手足の震えは、筋肉が疲れて、けいれんを起こしている状態なのです。
もちろん震えはずっと続くわけではありません。
あくまで一時的な現象です。
震えの原因であるストレスを軽減すれば、自然と震えも止まります。
どうすれば緊張の震えを止めることができるのか。
震えの原因は筋肉に乳酸がたまっていることですから、たまった乳酸をスムーズに排出させることがポイントです。
有効なのは、マッサージやストレッチ体操です。
マッサージやストレッチ体操で筋肉をほぐすと、血行がよくなります。
血行促進によって乳酸が排出されると、けいれんである震えも収まります。
わざと足踏みをしたり、手を大きく開いたり閉じたりするだけでも効果的です。
本番中なら、大きな声を出したり積極的にボディーランゲージをしたりするだけでも違います。
マッサージではありませんが、じっとしているよりは好都合です。
適度に筋肉を動かしたほうが、乳酸の排出が促され、震えの収まりが早くなります。