フランス生まれのバルビゾン派・写実主義の1人に、ミレーという画家がいます。
『種まく人』『落穂拾い』『晩鐘』など、農民生活を主題とした絵を描いたことで有名です。
そんなミレーには、面白いエピソードがあります。
実は彼が結婚式を挙げたのは、とても遅かったのです。
亡くなる17日前でした。
彼が31歳のとき、家政婦をしていたカトリーヌと出会い、付き合いますが、結婚式は挙げていませんでした。
「なぜ結婚式を挙げないのか」と思いますが、そこには難しい事情があります。
30代のミレーは、画業に励んでいるものの、なかなか絵が売れず、非常に収入が少ない状況でした。
一方、彼女の実家も大変貧しく、生活に困窮している状況でした。
そのため双方の家族で結婚に大反対だったのです。
そこで2人は駆け落ちし、パリへ行きます。
カトリーヌと結婚したのは、出会ってから10年がたった、39歳のころです。
しかし、書類上の結婚はできても、教会での結婚式はまだ挙げていませんでした。
信仰心の強いミレーは、そのことがずっと気がかりだったのです。
その後、40代に入ってから少しずつ名前も広まっていき、売れ始めます。
50代に入って、ようやく大きな収入と名声を得られた状態で、まさに「遅咲きの画家」でした。
ところが60歳になったとき、健康状態が急激に悪化します。
死期を悟ったミレーは、長年苦労をかけたカトリーヌや子どもたちのために、教会で結婚式を挙げました。
生きているうちにしなければいけない最後の仕事でした。
ミレーにとって、結婚式は「けじめ」だったのです。
教会で結婚式を挙げたミレーは、その17日後に亡くなりました。
このことから私たちが学べることがあります。
「けじめは生きているうちにつけておく」ということです。
「いつかやらなければ」と思うことは、早めにやっておきましょう。
もたもたしていると、機会を逃します。
けじめをつけたいことがあれば「できるだけ早め」が大切です。
人生でやり残していることなら、なおさらです。
死んでからでは遅いことがあります。
たとえ結婚式のようなイベントであっても、心残りであれば、挙げておくほうがいいのです。
人生でやり残したことがあれば、生きているうちにしておくことです。
できるだけ早めにしておくのがベストです。
「今さら遅いかな」と思うことでも、生きているうちなら間に合うのです。