あるところに「もう年だから」と嘆く70代がいました。
何を始めるにも遅すぎるように感じて、今さら新しいことを始める気になれないでいました。
深いしわが目立ち、髪はほぼ白髪。
幸い大きな病気はありませんでしたが、足腰は弱っていて、身体機能の衰えが目立っていました。
なかなか前向きな気持ちが持てず、生きる気力も持てないでいました。
あるとき、老人ホームへ入居することになりました。
そこでユニークな体験をすることになります。
入居者は、80代や90代ばかりでした。
なかには100歳を超える人もちらほらいます。
70代のその人は、その老人ホームで最年少でした。
この日を境に、周りの先輩たちから言われます。
「70代なんてまだまだ若い。私たちから見れば、若者ですよ」と。
80代や90代から見れば、70代は「若い」と言えます。
100歳から見れば、子どもに見えるでしょう。
70代のその人は、だんだん心境に変化が生まれてきました。
周りから「若い、若い」と言われ続けたため、だんだん本当にそう思えるようになっていったのです。
それからというもの「もう年だから」という口癖はなくなりました。
自分より年齢が高い人に囲まれていると、とても言えるセリフではありません。
そして、昔からやりたかった絵画を始めるようになりました。
笑顔も増えて「人生はまだまだこれから!」という気持ちも強くなっていったのです。
「もう年だから」と嘆かないでください。
それは気のせいです。
「若さ」の定義なんて、あってないようなもの。
若いと思えば、若いのです。
青春と思えば、青春なのです。
「私は若い」と思うだけで、心に若々しいエネルギーがみなぎってきます。
体の年齢には逆らえませんが、年齢に負けない若々しい生き方なら可能です。
若々しい気持ちさえ心がければ、一生若者でいることも夢ではありません。