満腹まで食べる癖はありませんか。
現代は「飽食の時代」です。
食べることに困ることはありません。
お金さえあれば、食べたいものは、何でも手に入る時代です。
デパートに行けばおいしそうな食べ物もたくさんあって、目移りします。
おいしいものをおなかいっぱいまで食べれば、さぞ気持ちいいでしょう。
おなかいっぱいまで食べれば、エネルギーも満タン。
しっかりパワーを発揮できるような気がするものです。
ところが実際はどうでしょうか。
おなかいっぱいに食べると、その後が大変です。
急に体が重くなって、激しい眠気に襲われるでしょう。
頭がぼうっとして、しばらく仕事に手がつかなくなります。
何もしていないのに疲れを感じます。
なぜこのようなことが起こるのか。
それは、血糖値の急激な変化にあります。
満腹まで食べると、多くの炭水化物を摂取することになって、血糖値が急上昇します。
これを「食後高血糖」と呼びます。
高くなった血糖値を急いで下げようと、すい臓から大量のインスリンが分泌されます。
すると今度は、大量に分泌されたインスリンの影響で「低血糖」の状態になり、眠気や倦怠感に襲われます。
満腹まで食べた後、眠気や倦怠感に襲われるのは、この低血糖が原因です。
満腹の悪影響はそれだけではありません。
毎回の食事で満腹まで食べていると、カロリーを取り過ぎてしまいます。
カロリーオーバーの食生活は、肥満を招きます。
肥満になると、体が重くなってますます疲れやすくなるという悪循環になるのです。
満腹まで食べるのはよいことのように思えますが、それは、自由に食べることができなかった時代の話です。
飽食である現代では、満腹まで食べる食べ方には注意が必要です。
食べ方を変えましょう。
飽食時代に適した食べ方があります。
満腹ではなく「腹七分目」で済ませることです。
腹八分目ならぬ、腹七分目を心がけましょう。
「3割のカロリー制限」ということです。
食事量を腹七分目に抑えることで、血糖値の急上昇が抑えられます。
血糖値の急上昇が抑えられれば、インスリンの分泌量も抑えられるため、低血糖の状態を回避できます。
その結果、眠気や倦怠感がなくなって、疲れにくくなります。
満腹まで食べることが癖になっている人もいるでしょう。
そういう人は、早食いが癖になっていることが多い。
普通私たちは、満腹を感じたら食べるのをやめます。
ところが早口が癖になっていると、食欲のブレーキがかかる前に食べすぎてしまいます。
自然と満腹まで食べてしまいます。
気づけば、カロリーオーバーの状態になっているのです。
食べ方を変えましょう。
大切なことは「よく噛んでゆっくり食べる」です。
噛む回数を増やして、しっかり顎の筋肉を動かします。
目安としては「飲み込む前に20回以上噛むこと」を心がけてください。
しっかり顎を動かすことで、顎の運動刺激が脳に伝わります。
食べるスピードもスローになるため、タイミングよく食欲のブレーキがかかって、食べすぎを防げるのです。
難しいことではありませんね。
意識すれば、今日から取り組めるはずです。
腹七分目は、飽食時代に適した食べ方です。