自己肯定感の欠如による悪影響は、無気力だけではありません。
人によっては「攻撃性」に変わることがあるため注意が必要です。
自分に自信がなくて無気力になることもあれば、自分に自信がないからこそ攻撃性に変わることがあります。
自己肯定感が低い人は、自尊感情が乏しいため「格付け」に敏感です。
自分より格上の人間には、プライドが傷つくため、嫉妬や憎悪の感情が湧きます。
光が強いほど影が濃くなるように、相手が輝いているほど、自分が卑しく感じてしまう。
幸せそうな様子が気に入らず、何とかして不幸におとしめてやりたいと考えるようになる。
不快な感情を解消させるため、自分に被害さえなければ、匿名で攻撃したくなります。
インターネット上での匿名による嫌がらせは、攻撃する側の自己肯定感の欠如に原因があります。
一方、自分より格下の人間にはどうするか。
自分より格下の人間に対しては、劣等感や不快感を発散できる絶好の攻撃対象と考えます。
自分より弱い相手は、攻撃しても反撃してくる心配が小さいため、嫌がらせをして苦しめたくなります。
これに発展を加えた現象が、いじめ問題です。
いじめ問題は「いじめる側の攻撃性の問題」と思われがちですが、根本には「自己肯定感の欠如」という原因があります。
さらに突き詰めると、自己肯定感の欠如は「親の愛情不足」という根本に原因がある場合が少なくありません。
つまり、親の愛情不足が自己肯定感の欠如につながり、自己肯定感の欠如が攻撃性に変わり、攻撃性がいじめに発展するのです。
いじめる側の家庭環境を調査すると、親による愛情が不足しているケースが多く見受けられます。
あるいは、親に愛情があっても、表現方法が空回りして、子どもが愛情不足に陥っているケースも少なくありません。
たとえば、親が共働きでかまってくれず、愛情不足で育った状況などです。
いくら家は裕福であっても、愛情不足で育つと、子どもは自分の存在意義・存在価値を感じにくくなります。
結果として、自己肯定感の欠如につながってしまうのです。
もしあなたが教師であり、生徒のいじめ問題に悩んでいるなら、生徒の自己肯定感を高めるのが解決の近道と言えるでしょう。
自己肯定感といじめ問題は、無関係に思えますが誤解です。
自己肯定感といじめ問題は深いつながりがあり、切っても切れない関係なのです。