美容関連の雑誌では「活性酸素」というキーワードをよく目にします。
「活性」という前向きな言葉が含まれているので、肌をよさそうな気がしますが、そうではありません。
実は、逆です。
毒なのです。
活性酸素とは、電子のペアの1つがなくなった酸素のことです。
これは細胞にとって毒です。
電子のペアがなくなると、原子が不安定になり、暴走を始めます。
そばにある細胞の分子から電子を奪うため、さらに細胞の傷を広げてしまうのです。
私たちは、生きるために酸素が必要です。
呼吸をするたびに、空気を吸って酸素を取り入れます。
呼吸で取り込んだ酸素のおよそ2パーセントが、活性酸素に変化すると言われます。
細胞の傷が増えるというのは、細胞が正常な働きをしなくなること。
これが「細胞のさび」といわれる状態です。
生きているかぎり、活性酸素の影響を受けるものであり、このことで人は、老化していくのです。
しかし、活性酸素が発生するのは、呼吸をするときだけではありません。
普段より大量の活性酸素ができる瞬間が、呼吸以外にも、確認されています。
ストレスを感じているときです。
悩んでいるとき、怒っているとき、興奮しているとき、悲しんでいるときなどです。
すでに体の中で安定している細胞が、ストレスの影響を受けると、特殊な変化をします。
原子核の周りある電子のペアの1つがなくなってしまうのです。
こうなると大変です。
原子が不安定になり、暴走を始めます。
そばにある細胞の分子から電子を奪うため、さらに細胞の傷を広げてしまうのです。
ストレスを受けると老けやすいのは、本当の話です。
生きるために呼吸をすることは誰も避けられませんが、大きなストレスなら、努力しだいで避けることができます。
現代社会では、完全にストレスからは逃げられません。
せめて気の持ちようを変えたり、定期的に気分転換をしたりなど、ストレスをためすぎないように心がけましょう。