「肌を、きちんと呼吸させないと!」
夜、寝る前にはメイクを落とします。
メイクを落とす理由を、肌に呼吸をさせるためと思っている女性がいます。
呼吸をさせないと新陳代謝が低下して、肌がぼろぼろになると思います。
世間でよく耳にする話ですが、大きな誤解があります。
実のところ、肌が呼吸するのは、嘘です。
大嘘です。
肌は呼吸しません。
呼吸は、皮膚ではなく、肺で行われます。
本当に肌が呼吸しているなら、水泳で水に浸かる時間が長いほど、肌もぼろぼろになるはずです。
プロの水泳選手ともなれば、年中、水に浸かっているような状況ですから、肌は大変なことになっているでしょう。
しかし、実際はそうではありませんね。
長時間、水に浸かっていても、肌は何も影響ありません。
「では、ばんそうこうを貼った後に肌が白くなるのはなぜ?」
ばんそうこうを貼った後に肌が白くなるのは、呼吸ができないからではありません。
ばんそうこうを貼っていると、体温調節のため皮膚から出る水分の蒸発ができないためです。
皮膚が湿ってふやけているだけであり、皮膚呼吸とは関係ありません。
「でも、メイクをしたまま寝たとき、翌日肌がぼろぼろになったことがある」
もし、メイクをしたまま寝た翌日に、肌の異変が感じられたなら、原因は乾燥です。
ファンデーションやパウダーなどが肌の水分を吸収してしまい、乾燥が進んでしまったのです。
よく化粧品会社で「皮膚呼吸を促そう」という言葉が見られるのは、一種の宣伝です。
好ましい皮膚の状態のたとえとして、うたっているだけです。
したがって、皮膚呼吸のことは忘れ、寝る前には化粧水や乳液などでしっかり保湿は必要です。
たっぷり保湿をすることで、睡眠中に肌の奥まで浸透して、翌日の朝はぴちぴちになっているのです。