執筆者:水口貴博

上手にわかりやすく説明する30の方法

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著者の体験を交えて話をすると、忘れにくくなる。

著者の体験を交えて話をすると、忘れにくくなる。 | 上手にわかりやすく説明する30の方法

私はこれまでたくさんの本を読んできましたが、記憶の残りやすい本と、記憶に残りにくい本がありました。

3年前に読んだ本を覚えていることもあれば、1週間前に読んだ本の内容を忘れていたりします。

覚えているかどうかは、時間は関係ないようです。

「この違いはなぜだろうか」と考えたとき、気づきました。

「著者の体験を交えて話している内容かどうか」です。

事実、物事、知恵、コツを、淡々と説明している本は、内容はわかっても、記憶に残りません。

説明書のように、正しいけれど、淡々と順番どおりに話を進める本は、あっという間に読めても、あっという間に忘れます。

しかし、体験記のような著者の体験を交えたストーリー仕立ての内容は、面白いうえに、忘れにくくなります。

人間は「点の記憶」は忘れやすいのですが「線の記憶」は忘れにくくなります。

歴史の年号を覚えにくいのは、点の記憶だからです。

「894年、遣唐使廃止」

「1635年、参勤交代」

「1941年、真珠湾攻撃」

淡々とした内容は、忘れやすいのです。

点の記憶は孤立しているので、記憶を保持するネットワークがないからです。

記憶を保持しやすくなるのは、線の記憶になったときです。

流れの中で覚える記憶は、忘れにくくなります。

著者の体験ストーリーは、一続きの流れになっています。

その体験の中で紹介する知恵やポイントは、ストーリーとともに、忘れにくくなります。

前後の話の流れが、記憶を保持するネットワークになります。

いくらわかりやすい説明とはいえ、すぐ忘れられる内容では役立ちません。

理想をいえば、わかりやすく、忘れにくい話をするほうが、相手のためになります。

そのために一番必要なのは、やはり話す本人の経験量です。

経験が豊富であるほど、体験を交えて話ができるからです。

わかりやすいうえに、忘れにくい話をすることができるようになります。

「説明がうまくなりたい」と願う人がいます。

そういう人は、まず経験量を増やすことです。

説明を裏付けるような具体的な経験を自分がまずしないと、物語を交えた話もできないのです。

上手にわかりやすく説明する方法(25)
  • 自分の体験を交えて、話をする。
カタカナ言葉を使いすぎない。

上手にわかりやすく説明する30の方法

  1. 言葉を短くするだけでいい。
  2. 大切なことから話し始める。
    足りなければ、後から付け加えればいい。
  3. 鉛筆より、ボールペンを使うほうがいい。
  4. 小さな声で発言しない。
    大きな声で発言する。
  5. 読書の際の線引きで、大切な部分を見抜く練習をする。
  6. 本とは、1パーセントのキーワードと、99パーセントの補足説明。
  7. 「箇条書き」を使えば、わかりやすい説明になる。
  8. 長い説明の前には、ポイントの数を宣言しよう。
  9. 「ですます口調」で言い切ると、わかりやすくなる。
  10. 日記は短いほうが、説明もうまくなる。
  11. 社会人になると日記を書く暇すらない。
    学生時代こそ、日記を書くチャンス。
  12. 結論から話をすると、説明がわかりやすくなる。
  13. じらさない。
    回りくどい話をしない。
  14. 否定した説明は、わかりにくい。
    肯定した説明が、わかりやすい。
  15. 「してはいけない」で説明すると、元気がなくなる。
    「しよう」で説明すると、元気が出てくる。
  16. 説明する側が、要点を強調する工夫を凝らす。
  17. 説明は、足りないくらいで、ちょうどいい。
  18. 「順番の流れ」より「気持ちの流れ」で、説明をする。
  19. 強調言葉を使いすぎるくらいなら、言わないほうがまだいい。
  20. 説明が上手な人は、抽象的な言葉は使わない。
    具体的な言葉を使って説明する。
  21. 接続助詞を使わず「。
    (句点)」を使えばいい。
  22. 固有名詞を、いきなり使わないこと。
  23. 「要は」という表現は、1つの説明で1回しか使えない表現。
  24. 先に結論を、黒板に書く。
  25. 著者の体験を交えて話をすると、忘れにくくなる。
  26. カタカナ言葉を使いすぎない。
  27. 「あり得ない表現」を使わない。
  28. 誰もが知っている言葉を使う。
    専門的な用語は使わない。
  29. 落ち着いた話し方は、自信の表れ。
  30. 大げさな表現を使って、相手の心を衝動的にさせない。

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