執筆者:水口貴博

上手にわかりやすく説明する30の方法

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「してはいけない」で説明すると、元気がなくなる。「しよう」で説明すると、元気が出てくる。

「してはいけない」で説明すると、元気がなくなる。「しよう」で説明すると、元気が出てくる。 | 上手にわかりやすく説明する30の方法

街を歩いていると、次のような言葉を目にします。

私は言葉を扱う人間として、残念だなと思う表現です。

さて、どこがよくないのか、おわかりでしょうか。

「タバコを吸ってはいけない」

「ポイ捨てをしてはいけない」

「お酒の飲みすぎはいけない」

「食事の食べすぎはいけない」

「仕事のしすぎはいけない」

どれも間違ってはいません。

内容としては、どれも正解です。

しかし、読んでいて、元気がなくなりませんか。

「あれもダメ。これもダメ」と言われると「どうすればいいんだ。何もできないじゃないか」と思います。

否定した言葉、禁止された言葉を聞き続けると、私たちは元気がなくなり、行動する気持ちがうせてしまいます。

否定する言葉は、元気を奪います。

間違っていない言葉ですから「悪い」とは指摘しにくいものです。

しかも「するな」と言われると、したくなるのが人間です。

こういう否定した言葉により、人々の元気を奪っているだけでなく、むしろ事件を増やしているのではないかと懸念してしまいます。

このちょっとした表現の違いにおける心の変化に、気づきました。

私が文章の説明をする際には「否定」で説明するのではなく「肯定」で説明するようにしています。

読者の元気を奪いたくないし、読んで元気になるような文章を書きたいからです。

上に挙げた言葉を、肯定した言葉に変えると、次のようになります。

「タバコより、空気を吸おう」

「タバコの吸い殻は吸い殻入れに入れよう」

「お酒より、水を飲もう」

「食事は、腹八分目で抑えよう」

「切りのいいところで、仕事を区切ろう」

いかがでしょうか。

明るく前向きな表現に変わりましたね。

読んでいて何だか、元気が出てきませんか。

「こうすればいいんだ」と、明るい未来がぱっと開ける気がします。

肯定する言葉は、人に元気を与えます。

説明をするときには、常に、肯定した言葉を使いましょう。

話を聞いた後に、聞いた人が元気にならないと、うまく説明できたとは言えないのです。

上手にわかりやすく説明する方法(15)
  • 「してはいけない」より「しよう」という言葉で説明する。
説明する側が、要点を強調する工夫を凝らす。

上手にわかりやすく説明する30の方法

  1. 言葉を短くするだけでいい。
  2. 大切なことから話し始める。
    足りなければ、後から付け加えればいい。
  3. 鉛筆より、ボールペンを使うほうがいい。
  4. 小さな声で発言しない。
    大きな声で発言する。
  5. 読書の際の線引きで、大切な部分を見抜く練習をする。
  6. 本とは、1パーセントのキーワードと、99パーセントの補足説明。
  7. 「箇条書き」を使えば、わかりやすい説明になる。
  8. 長い説明の前には、ポイントの数を宣言しよう。
  9. 「ですます口調」で言い切ると、わかりやすくなる。
  10. 日記は短いほうが、説明もうまくなる。
  11. 社会人になると日記を書く暇すらない。
    学生時代こそ、日記を書くチャンス。
  12. 結論から話をすると、説明がわかりやすくなる。
  13. じらさない。
    回りくどい話をしない。
  14. 否定した説明は、わかりにくい。
    肯定した説明が、わかりやすい。
  15. 「してはいけない」で説明すると、元気がなくなる。
    「しよう」で説明すると、元気が出てくる。
  16. 説明する側が、要点を強調する工夫を凝らす。
  17. 説明は、足りないくらいで、ちょうどいい。
  18. 「順番の流れ」より「気持ちの流れ」で、説明をする。
  19. 強調言葉を使いすぎるくらいなら、言わないほうがまだいい。
  20. 説明が上手な人は、抽象的な言葉は使わない。
    具体的な言葉を使って説明する。
  21. 接続助詞を使わず「。
    (句点)」を使えばいい。
  22. 固有名詞を、いきなり使わないこと。
  23. 「要は」という表現は、1つの説明で1回しか使えない表現。
  24. 先に結論を、黒板に書く。
  25. 著者の体験を交えて話をすると、忘れにくくなる。
  26. カタカナ言葉を使いすぎない。
  27. 「あり得ない表現」を使わない。
  28. 誰もが知っている言葉を使う。
    専門的な用語は使わない。
  29. 落ち着いた話し方は、自信の表れ。
  30. 大げさな表現を使って、相手の心を衝動的にさせない。

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