公開日:2008年4月29日
執筆者:水口貴博

上手にわかりやすく説明する30の方法

  • 言葉を短くするだけでいい。
上手にわかりやすく説明する30の方法

言葉を短くするだけでいい。

「説明するのが苦手」
「説明がわかりにくいと言われた」
「どうすればわかりやすく説明ができるか」

大切なことから話し始める。
足りなければ、後から付け加えればいい。

「あなたはどんな人ですか」と聞かれると、たくさんの言葉が思い浮かびます。
「行動は、勢いを大切にする性格」
「小さいことを気にしすぎる」

鉛筆より、ボールペンを使うほうがいい。

話がわかりにくい人の書く字は、特徴があります。
鉛筆で「薄い字を書く」ということです。
文字を書くときに、間違えたときに消しゴムで消しやすいように、力をあまり入れないで文字を書きます。

小さな声で発言しない。
大きな声で発言する。

学校に入学したばかりの小学生は、先生からこう言われます。
「発表するときには小さな声ではいけません。大きな声で発表しましょう」
手を挙げて、みんなの前で発言するときに言われる決まり文句です。

読書の際の線引きで、大切な部分を見抜く練習をする。

わかりやすい説明ができるようになるためには、物事のポイントを押さえる練習をする必要があります。
こればかりは魔法の方法はなく「普段からの練習」がどうしても必要です。
ポイントを押さえる練習としておすすめしたいのが、読書の際の「線引き」です。

本とは、1パーセントのキーワードと、99パーセントの補足説明。

読書をしているときには、どの言葉も大切そうに聞こえます。
たくさんの文字が目に飛び込んで、目まいがします。
しかし、作家が言いたいことは「一言」だけです。

「箇条書き」を使えば、わかりやすい説明になる。

「箇条書き」は、書き言葉においても話し言葉においても、わかりやすく説明するためのポイントです。
箇条書きを使って説明すると、わかりやすくなります。
箇条書きそのものが、要点になっているからです。

長い説明の前には、ポイントの数を宣言しよう。

どうしても、長い話にならざるを得ないときがあります。
それでいて、わかりやすく説明しなければならないときがあります。
たとえば、事件の状況説明や経緯の説明などでは、一部始終を詳しく説明しなければいけませんから、話が長くなります。

「ですます口調」で言い切ると、わかりやすくなる。

あなたが普段使っている話し言葉をチェックしましょう。
説明がわかりにくい人には、ある癖があります。
次のような言葉遣いになっていないでしょうか。

日記は短いほうが、説明もうまくなる。

今はもう書かなくなりましたが、私は学生時代、日記をつけていました。
19歳から24歳までの5年間、1日も欠かさず書いていました。
この日記を書く作業は、わかりやすく説明をするための基礎作りに、大いに役立った実感があります。

社会人になると日記を書く暇すらない。
学生時代こそ、日記を書くチャンス。

私は19歳から24歳までの5年間、毎日日記を書いていました。
「書いていました」という表現のとおり、過去形です。
今は書いていません。

結論から話をすると、説明がわかりやすくなる。

説明が下手な人は、結論を後回しに話す癖があります。
私も、その気持ちがわかります。
大切なことを最初に言うのがもったいないと思い、じらして、最後に言いたくなります。

じらさない。
回りくどい話をしない。

説明が下手な人は、くどくどした話し方になっています。
くどくどは、次のことをいいます。
「じらした話し方」

否定した説明は、わかりにくい。
肯定した説明が、わかりやすい。

1つの説明をするときに、2種類のアプローチがあります。
(1)肯定した説明
(2)否定した説明

「してはいけない」で説明すると、元気がなくなる。
「しよう」で説明すると、元気が出てくる。

街を歩いていると、次のような言葉を目にします。
私は言葉を扱う人間として、残念だなと思う表現です。
さて、どこがよくないのか、おわかりでしょうか。

説明する側が、要点を強調する工夫を凝らす。

本を読むときには、私たちは「要点を探す」という作業を無意識にしています。
「何が言いたいのか、何を伝えたいのか」を探す作業です。
この作業は、無意識ながらも、面倒で疲れてしまいます。

説明は、足りないくらいで、ちょうどいい。

先日、読者から「なぜいつも30構成なんですか」と聞かれました。
「もう少し多くてもいいのではないか」という気持ちで、質問してきたようです。
実は、私としても「30」というのは、少ないと思っています。

「順番の流れ」より「気持ちの流れ」で、説明をする。

説明書がつまらないのは、順番がきれいすぎるからです。
1.はじめに~から引き出します。
2.次に~をします。

強調言葉を使いすぎるくらいなら、言わないほうがまだいい。

物事を強調するときに、次の言葉を、よく口にします。
「とても」
「かなり」

説明が上手な人は、抽象的な言葉は使わない。
具体的な言葉を使って説明する。

ある日、レストランへ入ったときのことです。
レストランは、満席でした。
忙しそうにしているウエイターから「しばらくお待ちください」と言われました。

接続助詞を使わず「。(句点)」を使えばいい。

説明が下手な人は、話を接続助詞でつなぎます。
接続詞を使って、文と文をつなげ、長くしてしまいがちです。
接続助詞で言葉をつなぐことが癖になっている人は、特に要注意です。

固有名詞を、いきなり使わないこと。

会社で、Aさんに電話があったときのことです。
Aさんは不在で、電話があったというメモを残しました。
あなたは、次のようなわかりにくいメモを、残していないでしょうか。

「要は」という表現は、1つの説明で1回しか使えない表現。

「要は」というのは「要点は」の略です。
文章のまとめを伝える際に使う表現です。
本の中だけでなく、私たちの日常会話でも、頻繁に登場する表現です。

先に結論を、黒板に書く。

説明上手な人は、聞き手が求める「どこが大切なのか」という探す作業を、少なくさせる話し方をしています。
強弱のない平坦へいたんな説明は、わかりにくいものです。
話の一部始終を聞かないと意味がわからない言葉は、聞き手を疲れさせます。

著者の体験を交えて話をすると、忘れにくくなる。

私はこれまでたくさんの本を読んできましたが、記憶の残りやすい本と、記憶に残りにくい本がありました。
3年前に読んだ本を覚えていることもあれば、1週間前に読んだ本の内容を忘れていたりします。
覚えているかどうかは、時間は関係ないようです。

カタカナ言葉を使いすぎない。

外国から入ってきた言葉を、日本語では一般的に「カタカナ」で表記します。
物語を意味する「ストーリー」という単語は、英語の「story」からきています。
携帯を意味する「モバイル」という単語も、英語の「mobile」からきています。

「あり得ない表現」を使わない。

情緒的な文学作品に多いのが「情緒的な表現」です。
「情緒的な表現」は、イメージが湧きにくい表現が多いものです。
「瞳に映った月の影」

誰もが知っている言葉を使う。
専門的な用語は使わない。

これまでにない新しい技術、商品、サービスの説明では、専門的な用語が登場しがちです。
説明が下手な人は、自分の立場になり、いつも使っている専門的な用語を使って話してしまいがちです。
自分が開発した商品は、自分が一番よく知っているので、専門的な用語も当たり前に話してしまいます。

落ち着いた話し方は、自信の表れ。

天皇が発言をされるとき、いつもゆっくりした話し方です。
落ち着いた話し方ではありますが、言葉の一つ一つが、心にしみる話し方ですね。
発言のミスを防ぎ、思っている気持ちを、言葉を厳選しながら話しているからです。

大げさな表現を使って、相手の心を衝動的にさせない。

私が説明する際に気をつけているのは「大げさな表現を使わない」というルールです。
作家として、最低限のマナーだと思っています。
大げさな表現をすると、表現効果が強いように思えます。

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