話がわかりにくい人の書く字は、特徴があります。
鉛筆で「薄い字を書く」ということです。
文字を書くときに、間違えたときに消しゴムで消しやすいように、力をあまり入れないで文字を書きます。
いわば「逃げやすくするための準備」です。
頭のどこかで「間違えたらすぐ消して、なかったことにしよう」という考えがあります。
自分の言葉や発言に自信がないので、その心理状態が文字に反映されています。
自分のメッセージに自信がないくらいですから、説明もわかりにくいものです。
間違えたら消せばいいと思っているので、適当な発言をしがちです。
話がわかりにくくなります。
間違えたら、消しゴムで消してなかったことにしようと思っていては、責任のあるメッセージを発言することはできません。
こういう人が自分のメッセージに自信を持つためには、どうすればいいのでしょうか。
鉛筆をやめて、ボールペンを使えばいいのです。
ボールペンを使えば、消しゴムで消すことはできません。
それでいて、力を入れなくても、濃い字を書けます。
自分から発せられるメッセージの一つ一つに責任を持つということです。
消せない文字を書くようになると、書く前に、言葉を考えるようになります。
「この言葉で間違っていないか」
「ほかの表現はないか」
「もっとわかりやすい言葉はないか」
消せない文字を書こうとすると、人間誰しも、責任を感じるようになります。
たわいない一言でさえも、消せない文字となると、頭を回転させて真剣に考えます。
言葉に間違いがないか、慎重になります。
こういう練習をしていると、話のポイントを押さえることができるようになります。
消しゴムで消すことができる鉛筆の字は、尻込みしがちです。
どこかで「逃げ」があります。
逃げられないようにするために、ボールペンで文字を書き、消すことができないようにするのです。
まず、自分の書く文字に責任を持つ練習をしましょう。
鉛筆はやめて、ボールペンで文字を書けばいいのです。