ある日、レストランへ入ったときのことです。
レストランは、満席でした。
忙しそうにしているウエイターから「しばらくお待ちください」と言われました。
「しばらくお待ちください」と言われて、困りました。
人によって「しばらく」を、1分と考える人もいれば、10分と考える人もいます。
10分も待たされるなら、ほかのレストランへ行ってしまいます。
こうしたときには「しばらく」という言葉を使わず「5分ほどお待ちください」と具体的に言ったほうが誤解が減ります。
5分という時間は、人によって変わることはありません。
具体的な数字ですから、すっと理解できます。
もし具体的な時間がわからなければ「ただ今、お待ちのお客さまが3名です」という表現でもいいでしょう。
待っている人の数で、どのくらい待たされるのかという状況が読めてきます。
説明が上手な人は、抽象的な言葉は使いません。
具体的な言葉を使って説明します。
大きさを表現する場合は、どうでしょうか。
「とても大きいです」という抽象的表現は使っていませんか。
皆さんがよく口にする言葉ですが、抽象的です。
「とても大きい」というのは、人によってイメージが異なりますね。
「東京ドーム3つ分の大きさです」と言えば、想像しやすくなります。
「とても小さいです」という抽象的表現も使っていませんか。
「小指の爪くらいです」と言ったほうが、理解しやすくなります。
自分が口にしている説明言葉に、具体的な表現を混ぜてみましょう。
説明が上手になるためには、具体的な表現を使えばいいのです。