コミュニケーションにおいて、ついやりがちなNG行為があります。
それは「病気に優劣をつけること」です。
たとえば、Aさんが病気で苦しんでいるとします。
そんなとき、別の病気を患っているBさんが「Aさんの病気なんてまだましだよ。私なんて○○でもっと大変」と言ったとします。
たしかに痛みや不自由さの程度は異なるのかもしれません。
治療の大変さや費用に差があるのも事実です。
しかしそれを理由に病気に優劣をつけるのは不適切です。
「あなたの病気はまだ軽い」「私のほうがつらい」などと言われたら、相手はどう感じるでしょうか。
自分の病気が軽んじられたような気がして、もやもやした気持ちになるはずです。
大げさに騒いでいるかのように受け取られたようで、居心地の悪さすら感じるでしょう。
病気に「良しあし」はありません。
どんな病気であっても、本人にとってはつらく、悩みのタネであるのは同じです。
病気に優劣をつけたところで、誰も救われず、誰の心も癒されません。
たとえ悪気がなかったとしても、相手がどう受け取るか想像し、言葉を選ぶ配慮が必要なのです。
こんなとき、どんな言葉をかけるのがいいのでしょうか。
「お互い頑張りましょう」の一言でいいのです。
明るく前向きな言葉があれば、それで心が通じます。
病気の種類は違っていても、克服を目指して頑張っていることに変わりありません。
明るく前向きな言葉をかけることで、コミュニケーションがスムーズに進みます。
励まし合える関係になれば「病気と闘う仲間」として支え合え、心の支えにもなるでしょう。
勇気や希望も湧いてくるはずです。
お互い前向きな言葉を掛け合うことで、病気の回復を早めることもあります。
奇跡的な回復を起こす可能性もゼロではないのです。