禅の教えの1つに「任運自在」という言葉があります。
どうすることもできないことは運に任せようではないか、という考え方です。
「運任せ」といいますが、悪いことではありません。
別の言い方をすると「事の成り行きを、天に任せる、自然の流れに任せる」ということです。
トラブルには、大きく2種類あります。
「どうにかなること」と「どうにもならないこと」です。
どうにかなることなら、もちろん解決に向けてベストを尽くすべきでしょう。
知恵を絞って、あらゆる選択肢を試していくことが大切です。
しかし、どうにもならないことなら別です。
どうにもならないことは、文字通り、どうにもなりません。
悪あがきをしたところで徒労に終わります。
あるいは、まだ解決はできていないものの、やるべきことをすべてやり尽くした、という状況もあるかもしれません。
どうにもならないことは、あれこれ試みるより、自然な流れに身を任せたほうがうまくいくのです。
つまり、いい意味で「ほうっておく」ということです。
私たちは、トラブルが起こったとき、焦ったり不安になったりします。
「何とかしなければ!」と思うかもしれません。
どうにもならないことだと、どうしていいのかわからずパニックになるでしょう。
しかし、どうにもならないことであれば、そういうときこそ任運自在です。
どうにもならないのですから、あれこれ騒いだところで仕方ありません。
じたばたすることも悪あがきすることもなく、ただ運に任せるのです。
自然の流れに身を委ね、事の成り行きを天に任せましょう。
どっしり構えて「なるようになるさ」の精神でいきましょう。
自然と前向きになれ、未来に希望が持てます。
運に任せると、運がついてきます。
おのずと道が開けていき、良い方向へと進んでいくのです。
自然な流れに身を任せることも許してください。
私たちは大きな流れの中で生きています。
運に任せることも、時には大切なことなのです。