ふとしたとき、頑固で意地っ張りな自分に気づくことがあります。
素直に自分を表現できないと、自分らしい人生が歩めません。
そして、おどおどしている自分が憎らしくなる。
「素直になりたい!」
自分にもどかしさを感じて、嫌になることもあるのではないでしょうか。
ここで1つ、気づいておきたい重要な事実があります。
「もともと私たちは誰もが素直だった」という事実です。
たとえば、生まれたばかりの赤ちゃんは、誰でも素直です。
生まれたときから頑固な赤ちゃんはいません。
生まれたばかりの赤ちゃんは、心が真っ白であり、見栄も体裁も世間体も気にしていません。
余計なことを考えず、最も素直に生きている状態です。
あなたも幼いころを思い出してください。
物心がつく前のあなたは、きっと素直だったでしょう。
常に本音で話をしていたでしょう。
興味のあることには飛びついていたでしょう。
素直に好き嫌いを表現していたでしょう。
見栄も体裁も世間体も気にしていなかったでしょう。
従順で無邪気に生きていたでしょう。
いつも自然体であり、ありのままの自分を表現したはずです。
ところがだんだん大人になるにつれて、事情が変わります。
年齢を重ねて成長するにつれ、世の中のさまざまなことがわかるようになり、理解や分別がつくようになります。
知識や経験が増えていくと同時に、先入観・偏見・固定観念も増えます。
考えなければいけないことが増えて、頭が混乱してきます。
正確に物事を判断できるようになる反面、意思決定までに余計な時間がかかるようになります。
見栄を張ったり、体裁を取り繕ったり、世間体を気にし始めたりします。
いつの間にか、余計なことばかり考えている状態に陥っている。
結果として「素直になれない」という状態に陥ります。
結局のところ、知識も経験も、後から学んだこと。
先入観・偏見・固定観念も、後から生まれたこと。
見栄・体裁・世間体も、後から付け加わった価値観です。
さまざまな要素に惑わされた結果、素直に自分を表現できなくなります。
では、素直な人になるには、どうすればいいのか。
素直になるとは「本来の自分を取り戻していくこと」に尽きます。
つまり、素直とは、なるものではなく、取り戻していくものです。
知識や経験に惑わされず、真っ白な心を取り戻しましょう。
先入観・偏見・固定観念も、いったん心をリセットして、忘れることが大切です。
見栄・体裁・世間体も、気にすることはあっても、執着しないこと。
そして恥も外聞も恐れず、ありのままの自分を表現すること。
そうすることで、本来の自分を取り戻して、素直になっていけます。
本来の自分を取り戻していくことで、素直を取り戻していけるのです。