学力の向上は、右肩上がりとは限りません。
むしろ、すぐ結果が出るのはまれです。
なかなか結果が出なくて、もどかしいことでしょう。
ほとんどの場合、なかなか結果が出なくて、あるとき急に結果が出ます。
学生たちの思い描く成長曲線は「右肩上がり」を想像しています。
漫画ではよく登場する光景です。
まっすぐ右肩上がりの線は、理想的な成長ですね。
しかし、受験勉強では右肩上がりで伸びることはまれです。
急に伸びたと思ったら、次の瞬間は急に落ちます。
また伸びたと思ったら次の瞬間には、また落ちます。
波を描いて、全然進歩がないように思えます。
学力の向上がなかなか成績の結果に表れず、勉強を投げ出したくなるでしょう。
考えても見てみましょう。
大学受験の試験範囲というのは、高校3年分です。
それだけ広大な試験範囲を、ひととおり目を通すだけでも時間がかかります。
しかも1つの教科だけ集中できればいいですが、複数の科目を勉強しなければならない。
しかも、人間ですから忘れます。
覚えては忘れ、覚えては忘れという繰り返しになりそうですが、膨大な復習でカバーします。
それだけ勉強してもテストに出るのはほんの数十問。
あるときには勉強し終わった範囲から出題されたり、あるときはまだ勉強していない分野から出題されたりと波があります。
得意な問題が出るときもあれば、苦手な問題が出るときもある。
だから、成績は波を描きます。
結果が急によくなったり、急に悪くなったりする繰り返しで当たり前です。
諦めず、その波をしばらく続けてください。
「結果には時間がかかるもの」であることを知る時期です。
すると、波を描きながら、少しずつ右肩上がりになっていることに気づくことでしょう。
波線が右肩へと上がります。
勉強を続けていると、勉強が終わった範囲が増えて、だんだん点数が取れるようになります。
「そういうもの」とわかるだけでも、成長ありです。
すぐ成果が出なくても、くよくよする必要はないのです。