世間では「筋肉も脳も同じだ」という言葉をよく耳にします。
面白いたとえですね。
どちらも鍛えることができ、強化させることができるからです。
たしかに鍛えれば、思いバーベルを持ち上げられるようになります。
初めは30キロのバーベルしか持てなかった人でも、筋力を鍛えれば、100キロのバーベルを持つことができるようになります。
勉強が苦手な人も、積み重ねることで、より難しい問題を解くことができるようになります。
「鍛えることで強化される」
この点は、たしかに筋肉も脳も同じです。
同じではありますが、実は「決定的な違い」が1つだけあります。
「筋力には限界があり、脳力には限界がない」という点です。
筋力を鍛えて、100キロのバーベルを持つことができるようになったとします。
では、1トンものバーベルはどうでしょうか。
いくら筋力は鍛えられるといっても限界があります。
さすがに1トンは無理でしょう。
そもそも人間の体は、1トンに耐えられるような骨格をしていません。
筋力には、肉体的な限界があります。
しかし、脳には限界がありません。
頭のいい人なら、重いものを持ち上げる道具を作ることができるからです。
クレーンやショベルカーは、頭のいい人が作った道具です。
脳は、重いものを持ち上げるだけが長所ではありません。
感動させたり、喜んでもらえたりするような力。
苦しい病を回復させる薬を作る力。
海の向こうへ飛んでいく力。
人類を月にまで送り込む可能性さえあります。
これまで人類が発明してきた科学技術は、脳の力が土台になっています。
受験勉強は、その脳力を鍛えるという大きな可能性を秘めているということです。
「勉強が嫌い」という理由だけで、学びを避けていると、大きな可能性を捨てることになります。
きちんと勉強すれば、今は大変でも、将来は楽になります。
体力や肉体の限界を、脳によって克服することができるからです。
そういう大事な時期だと気づくことです。