「ついにこの日がやってきた」
学期末試験・模擬試験・大学入試本番。
やはり試験日というのは、緊張します。
試験官が問題用紙を配っている間に、あなたは何をしていますか。
「何をするって、特に何もしようがない」
そう思い、ぼうっとする人がほとんどでしょう。
遠足の前日に「明日はどの靴を履こうか」と思い、靴箱を眺めました。
まだ買ってから一度もはいたことのない新品の靴がちょうどあったので、それを履こうと思いました。
遠足では、長時間、長距離を歩くことになるので、新しい靴のほうがいいだろうと思いました。
山は、全体が見えるから、登るときに安心します。
いきなり山を登り始めようとすると、どんな山で、どれだけの高さがあり、どんな道が待ち受けているのかわかりません。
登山前には、大まかでいいので山全体を知ることです。
私は数学のテスト中、不思議な体験をしたことがあります。
難しい問題に行き詰まって、途方に暮れていました。
どんな公式を使って、どう進めていいのかわからず、もんもんとしていました。
「試験開始!」
試験が始まってから、あなたはどのような順番で問題を解き進めますか。
おそらくほとんどの人は試験が始まるやいなや、いちばんの問題から進めようとするはずです。
山で遭難した人が、山から抜け出せないのは、同じところを何度もぐるぐると歩き回っているからです。
まっすぐ進んでいるつもりなのに自然と道筋が傾いて「おや。さっき通った道ではないか」ということになります。
焦ってしまうと体力を消耗してしまい「あれあれ? また同じ道だ。どうなっているんだ」となります。
中学生のころ、同じクラスに久美ちゃんという女の子がいました。
久美ちゃんは、クラスで最も成績のいい学生の1人でした。
席替えをしたとき、ちょうど私の隣の席に座ることになりました。
サッカー選手がすごいのは、試合中、ずっと走り続けていることです。
試合中、ボールに向かって、走るだけのスタミナはさすがです。
サッカーとは走り続ける試合ですから、プロのサッカー選手にもそれだけのスタミナが求められます。
模擬試験は、長時間に及ぶものがほとんどです。
1科目のテストだけでも大変な集中力を使うというのに、1日に複数の教科を受けることになります。
模擬試験が終わったころには、体力も集中力もかなり使い果たしていることでしょう。
私は学生時代、試験問題の中でまったくわからない4択問題があれば、いつもある決まったルールを実行していました。
「わからない問題は3番目を選ぶ」というルールです。
もちろん正解がわかる問題なら、その選択肢をマークします。
「試験問題の中で、全然わからない問題が出てきた」
そんなとき、あなたならどうしていますか。
わからない問題ですから、基本的にどうしてもかまいません。
学期末試験や模擬試験では、1日にいくつも試験を受けるのが通例です。
朝から夜までずっと試験ばかりという日さえあります。
試験が終わった直後、よく見かける光景があります。
「よく寝られなくて睡眠不足だった。試験が悪いのはそのせいだ」
「緊張して夜は寝られなかった。本番は睡眠不足で頭が回らなかった」
試験ができなかった言い訳を睡眠不足のせいにする人がいます。
学生時代、答案用紙に名前を書き忘れている人がいました。
問題はきちんと回答できているのに、名前だけ書き忘れている状態です。
それも一度や二度に限らず、そうした光景を目にしました。
「部分点」がもらえる問題形式があります。
国語・数学・歴史など、記述形式で回答する場合によく見られます。
「主人公が、なぜ家に戻ったのか、心情を述べよ」
試験全体を解き終えて、時間がわずかに残っていることがあります。
後回しにした問題を解いて、とりあえず空欄はすべて埋め、まだ時間が残っている場合です。
試験全体を解き終えた後にすることといえば「見直し」ですね。
ときどき問題用紙に書き込みを控える人がいます。
きれいな状態で問題用紙を提出したいと考えているのでしょうが、試験ではまったく不要です。
問題用紙は汚すものです。
テストは、本人の学力が反映されます。
と言いたいところですが、実は違います。
学力以外に、もう1つ反映される要素があります。
高校2年生のときの担任は、米井先生という英語を担当する男性教師でした。
米井先生はとても厳しい先生でした。
怒るときには、大きな声で隣の教室まで聞こえるような声で怒鳴ります。
テストではどんなにわからない問題が出題されても、空欄は絶対に埋めることです。
空欄のままでは、点をもらえる可能性はゼロです。
しかし、わからなくてもいいから何か書けば、点をもらえる可能性があります。
人によっては、そもそも夜型の人もいることでしょう。
夜のほうが静かで、性格に合っていると感じる人がいるのもたしかです。
塾のせいで夜型にならざるを得ない人もいることでしょう。
今、ティッシュとハンカチを持っている人が少なくなっています。
ポケットに入れるのは面倒という理由がほとんどです。
しかし、どんなに面倒でも、試験の日は必ず持参しましょう。
模擬試験を受けるとき、受験料は誰が出していますか。
学生ですから、ほとんどの場合、親からお金を出してもらう場合が多いことでしょう。
当たり前といえば、当たり前です。
学生時代は、いろいろな模擬試験を受けてきました。
学校で受ける模擬試験もあれば、各予備校が主催する模擬試験も受けたことが何度もあります。
試験中は静まり返っていると言いたいところですが、残念ながらそうではありません。
マラソン競技では、ほかの選手たちと大勢で走ります。
普段の練習ではタイムが普通でも、本番になると急にタイムを伸ばす選手がいます。
自分より早い選手に引っ張られるからです。
試験当日というのは、相当ストレスがあります。
受験への不安はもちろんのこと、体調管理への不安、温かい服装選び、将来への不安など、多くのストレスを感じる日です。
さまざまなストレスが一度にのしかかるので、気分が悪くなったり、吐き気を催したりすることもあるでしょう。
試験が始まる前の光景は独特です。
2種類のタイプの人を見かけます。
「試験時間ぎりぎりまで勉強する人」と「直前だからこそ勉強しない人」です。
試験会場へは、試験が始まるぎりぎりに到着するのはおすすめしません。
普段は時間にルーズな人でも、試験の日くらいは、早めに試験会場に到着することです。
試験が始まるぎりぎりに到着するとどうなるでしょうか。
テレビでニュースを見ていると、ときおり、感動的な物語を耳にすることがあります。
雪山で遭難した人が、奇跡的に救助されるという話。
登山で足をけがして動けなくなったところ、たまたま通りかかった人に助けられた話。
「ついにこの日がやってきた」
学期末試験・模擬試験・大学入試本番。
やはり試験日というのは、緊張します。
これまで勉強を積み重ねてきた成果を発揮する日ですね。
そんな試験当日の朝は、朝食にも力を入れることがあります。
絶対に試験を成功させたい気持ちがゆえに、食事にも力を入れてしまうところです。
試験で100%以上の力を発揮したいからと、ついいつもより食事の量が多めになるでしょう。
また、少しでも頭の回転が良くなるようにと思い、朝食をいつもとは違ったメニューにグレードアップすることがあります。
脳のエネルギー源であるブドウ糖ですから、ブドウ糖が多く含まれたメニューにします。
食事を切り替えることで、わずかに影響することもあるでしょう。
しかし、できることなら、普段から食べ慣れている食事をおすすめします。
いえ、試験日だからこそ、いつもどおりの食事のほうがいい。
試験当日というのは、緊張感が強くなります。
緊張のため消化の力が弱くなっているため、普段と違う朝食メニューに変更すると、おなかを崩してしまう可能性があるからです。
普段より、たくさん食べたり、食べ慣れていないものを急に食べたりすると、胃や腸が驚いたり、腹痛につながります。
試験中におなかが痛くて、解ける問題が解けなかったというのでは話になりませんね。
だからこそ、試験当日の朝は、普段どおりの食事メニューにしましょう。
いつもと変わらない朝食で、いつもどおりの力を発揮するのです。
試験官が問題用紙を配っている間に、あなたは何をしていますか。
「何をするって、特に何もしようがない」
そう思い、ぼうっとする人がほとんどでしょう。
試験官が試験用紙を配っているわずか数十秒の間とはいえ、実はやることがあります。
「大きな深呼吸」という儀式です。
これには大きな意味が2つあります。
1つ目の理由は「脳に十分な酸素を供給するため」です。
これから試験問題を取り組むに当たって、まず脳に十分な酸素を供給しておく必要があります。
試験中は集中するため、脳でたくさんの酸素が必要です。
しかし、一方で、集中しているときは呼吸が浅くなりがちです。
せめて、試験寸前の問題用紙を配られている間に、大きな深呼吸をしましょう。
脳の働きが良くなり、良いスタートを切ることができるようになります。
2つ目の理由は「落ち着きを取り戻すため」です。
試験中に焦りながら問題を解いていると、うっかりミスをする可能性が高くなります。
うっかりミスを防ぎ、落ち着いて問題を解くことができるよう、問題用紙が配られている間に大きな深呼吸をしましょう。
試験の流れを左右する小さな儀式なのです。
遠足の前日に「明日はどの靴を履こうか」と思い、靴箱を眺めました。
まだ買ってから一度もはいたことのない新品の靴がちょうどあったので、それを履こうと思いました。
遠足では、長時間、長距離を歩くことになるので、新しい靴のほうがいいだろうと思いました。
遠足当日は新品の靴を履いてわくわくしながら出かけましたが、結果は大失敗でした。
初めて履く靴は足になじんでいないため靴擦れしてしまい、足を痛めてしまいました。
足の皮がむけて出血してしまい、遠足を楽しむより、足の状態が気になって仕方ありませんでした。
遠足のために新品の靴を履きましたが、台無しになってしまいました。
大事な遠足の日こそ、普段から履き慣れている靴を履くのがいちばんです。
皆さんも同じような経験があるのではないでしょうか。
テスト本番でも同じ話です。
テストのときに限って、新品を使う人がいます。
「新品の鉛筆」や「新品の消しゴム」です。
新しいものを使えば、スムーズに書いたり消したりできて、テストも調子が出そうな気がします。
しかし、そういう気がするだけです。
実際にテスト本番で新品を使うと、調子が思うように出ない場合が多い。
新品というのは、まだ実績がないということです。
新しい鉛筆を使おうと思ったら、いつもより字が薄くて、余分な力を指に入れてしまうことがあります。
新しいシャーペンを使おうと思ったら不良品だった、という笑えない話もあります。
初めて使う消しゴムは、思ったより字が消えにくくて苦労することもあるでしょう。
こするときに力が入りすぎて、答案用紙を破いてしまうかもしれません。
大切なテストのときほど「使い慣れている鉛筆」と「使い慣れている消しゴム」です。
いつも使っているからこそ、鉛筆や消しゴムに余計な注意を払うことなく、テストそのものに集中しやすくなるのです。
山は、全体が見えるから、登るときに安心します。
いきなり山を登り始めようとすると、どんな山で、どれだけの高さがあり、どんな道が待ち受けているのかわかりません。
登山前には、大まかでいいので山全体を知ることです。
心理的に安心を得るだけでなく、登るときの具体的な対策を立てられるようになります。
試験もいわば山です。
始まるやいなやいきなり問題を解き始めるのではありません。
試験が始まって最初の数分間は、試験全体を眺める時間に使いましょう。
「試験全体を把握」から始めます。
これがあるかないかで、試験の流れを大きく左右します。
わずか1分ほどの眺める作業が、大きな余裕を生み出します。
きちんと問題文を一字一句読む必要はなく、だいたいどのような問題がどの辺りにあるのかを把握するだけでOKです。
問題の様子を大まかに確認し、テストの形式を確認し、全体を頭に入れておきます。
その全体像があると、安心感が得られます。
全体の構成や問題の配置がわかると、試験の進め方を具体的に想像できるようになります。
もし難しそうな問題が最初にあればスキップすればいい。
得意な問題から先に始めてもかまいません。
選択問題を優先させることもできるでしょう。
それができるのは、全体を把握できているからこそです。
私は数学のテスト中、不思議な体験をしたことがあります。
難しい問題に行き詰まって、途方に暮れていました。
どんな公式を使って、どう進めていいのかわからず、もんもんとしていました。
頭から湯気が出ていたかもしれません。
「ダメだ。全然わからない……」
いくら考えてもわからず頭が疲れたので、何の気なしに、ふと、窓の外の風景を眺めました。
「今日は天気がいいな」
「鳥が飛んでいる」
「空気が澄んで遠くまで見えるぞ」
もう無理だと諦め、なかばテストをサボっていました。
しばらく経ってから問題を見直すと、奇妙な出来事に遭遇しました。
さっきまでいくら考えてもわからなかった問題の解き方が、ぱっと思い浮かびました。
次の瞬間、すらすら問題を解いている自分がいました。
なぜこうしたことが起こるのでしょうか。
テストに集中しすぎているために起こる弊害です。
テスト中は、問題に集中します。
集中とは一点を見つめることです。
一点に集中するからこそ、問題を解く力も最大限に発揮できますが、逆のケースもあります。
一点に集中するからこそ、視野が狭くなり、頭が固くなることもあります。
本来、わかるはずの問題がわからなくなってしまいます。
集中には、一長一短があるということです。
集中しているにもかかわらず行き詰まったときには、ふと外の風景を眺めてぼうっとすれば、調子が変わります。
脳をリフレッシュさせる効果があり、緊張が緩みます。
頭が柔らかくなったり、視野が広くなったりして、違った角度から考えられるようになり、正解が思い浮かぶことがあります。
そういう経験を、実は何度もしたことがあります。
あなたも、ぜひ試してみましょう。
テスト中、解けない問題に当たって途方に暮れたとき、ふと窓の外の風景を見て、ぼうっとしましょう。
もちろん必ず効果があるわけではありませんが、突破口を見いだす可能性はあります。
その何でもないぼうっとした時間に助けられることがあるのです。
「試験開始!」
試験が始まってから、あなたはどのような順番で問題を解き進めますか。
おそらくほとんどの人は試験が始まるやいなや、いちばんの問題から進めようとするはずです。
第1問、第2問、第3問と順番どおりに進めるのは、別に不思議なことではありません。
早く問題に取りかかりたいし、少しでも時間を有効に使いたい気持ちもあるのでしょう。
しかし、いきなり1問目から取りかかるのは良くありません。
いきなり1問目から、難問が待ち受けていることもあります。
大学では受験生の柔軟な思考を確かめるため、わざとそうすることがあります。
最初に難しい問題があると、いきなりつまずいてしまい、調子が狂ってしまいます。
1問目の難問に時間と体力を使ってしまうと、焦りを助長してしまいます。
焦ったがために平凡なミスをしたり、読み飛ばしてしまったりする可能性も出てきます。
さあ、これがわかれば、まず試験が始まって最初にすることがわかりますね。
「最も簡単な問題から順に手をつける進め方」がベストです。
気持ちを楽にさせる効果があるからです。
まず一問、確実に解いてください。
「できた!」という達成感と心の余裕をつくるためです。
1問解ければ、調子が出始めます。
テストの雰囲気を見たときに、簡単そうな問題は、だいたい見当がつくはずです。
簡単そうな問題が3つ目にあれば、3つ目から始めましょう。
試験問題を、1から順に進めなければいけないというルールはありません。
場合によっては、いきなり最後の問題から始めても結構です。
確実に解ける問題を解いたとき、小さな達成感が生まれます。
その気持ちの余裕は、大事です。
心を落ち着かせ、調子も上がってきます。
確実に解ける最も簡単な問題から取り組むことで、気分が乗って調子が出始めるのです。
山で遭難した人が、山から抜け出せないのは、同じところを何度もぐるぐると歩き回っているからです。
まっすぐ進んでいるつもりなのに自然と道筋が傾いて「おや。さっき通った道ではないか」ということになります。
焦ってしまうと体力を消耗してしまい「あれあれ? また同じ道だ。どうなっているんだ」となります。
まっすぐ進んでいるつもりでも、ぐるぐると同じところを回り、いつまでも山から抜け出せません。
これが遭難するパターンです。
「自分は山に登らないから大丈夫!」
おや、のんきなことを言っている場合ではありません。
遭難するのは登山中だけ、とは限りません。
数学の試験中にも、遭難することがあります。
数学問題の回答形式といえば、大きく与えられた余白に解答を書く形式です。
問題文は、たったの数行なのに、解答を書く余白は1ページまるごとという場合も少なくありません。
問題文よりはるかに大きな余白に、違和感を覚える人も多いことでしょう。
「マス目を埋める形式」もありますが、大学受験ではまれです。
ほとんどの大学では、与えられた大きな白紙に計算式を書いて、答えを記述していく形式が中心ですね。
この形式の場合、1つアドバイスがあります。
消しゴムをあえて使わないことをおすすめします。
完璧主義の人は、誤字脱字もなく、読みやすくてきれいな回答をつくりたがろうとします。
実は、汚いほうが点は取れやすい。
間違えた計算プロセスを残すためです。
もし消しゴムで消してしまうと、どうなるでしょうか。
間違えたプロセスが完全に消えます。
消してしまうと間違えたプロセスが見えなくなり、頭が混乱します。
別の方法で解いているつもりでも、さっきと同じ失敗を繰り返してしまう可能性があります。
どんなやり方を、どれだけ試したのかも、消しゴムで消してしまうと消えます。
山の遭難と同じで、前に進んだつもりが、同じところをぐるぐると回っていただけということにもなりかねません。
その結果、回答に行き着くまでに時間がかかったり、場合によってはたどり着けなかったりします。
だからこそ、数学の試験では消しゴムは不要です。
あえて、プロセスを残します。
計算式を間違えたなら、二重線を引っ張って消しましょう。
頭の中を整理しやすくするため、間違えたところを残します。
そうすると頭の中を整理しやすくなり、同じ失敗をすることはないはずです。
また、間違えたプロセスを残すことで、部分点がもらえる可能性が出てきます。
採点者が、回答者の考えた計算の様子をうかがい知り、試行錯誤のプロセスが見えれば、部分点をもらえる可能性があるのです。
中学生のころ、同じクラスに久美ちゃんという女の子がいました。
久美ちゃんは、クラスで最も成績のいい学生の1人でした。
席替えをしたとき、ちょうど私の隣の席に座ることになりました。
ある日、久美ちゃんはテストで、また100点に近い点を取りました。
すごいなあと思って、テストを見せてもらって驚きあきれました。
あまりの字の汚さです。
字が汚いです。
久美ちゃんは丸顔で、くり色のさらさらロングヘアで、かわいい顔をしています。
かわいい顔をしているのに字は汚い、というギャップがあまりに印象的で、度肝を抜かれました。
ただし、汚い字ではありますが、読める文字にはなっています。
汚い字だけど、きちんと問題に正解していて、丸印ばかりが並んでいます。
はっとしました。
久美ちゃんの頭の良さを、発見しました。
回答を書いている時間の「短さ」です。
書いている時間なんて、人によってそれほど大差ないと思います。
しかし、思うだけで実は大差があります。
たとえば「おはようございます」という一文を書くだけでも、5秒で書ける人もいれば、20秒かけて書く人もいます。
この違いは大きいですね。
では、なぜこれほど書く時間に差ができるのでしょうか。
それは「きれいな字を書くことに神経質になりすぎているから」です。
私は当時きれいな字を書こうと神経質になっていました。
きれいな字を書けば、採点者の印象が良くなり、なんとなく点も上がるような気がしたからです。
これがいけなかった。
もちろんきれいな字を否定しているわけではありません。
見栄えもいいし、採点者の心証もよくなるでしょう。
しかし、きれいな字を書こうと神経質になりすぎていると、時間を取られます。
勉強時間が長いにもかかわらず、進んでいないということになります。
書道は、きれいな字を書こうとするため、1文字書くのに時間がかかります。
指に余分な力が入るため手は疲れやすくなりますし、時間もかかります。
きれいな字をあまりに意識しすぎていると、テストの回答もゆっくりになり、時間を取られすぎてしまいます。
書くのに時間をかけすぎて、タイムオーバーということもあります。
頭のいい人は、じっくり問題を考えた後、回答をさっと書きます。
もちろん最低限「読める字」を書く必要はありますが、きれいすぎる必要はありません。
「時間をかけてきれいな字を書く」のではなく「素早く読める字を書くこと」が大切です。
「読める字」になっていれば、字が汚くても必ず正解になります。
しかし、きれいな字でも、間違った回答なら、バツになるのです。
サッカー選手がすごいのは、試合中、ずっと走り続けていることです。
試合中、ボールに向かって、走るだけのスタミナはさすがです。
サッカーとは走り続ける試合ですから、プロのサッカー選手にもそれだけのスタミナが求められます。
スタミナが先に切れたチームが負けます。
スタミナが切れて、走りに陰りが見え始めたとたん、攻撃力も守備力も弱くなるからです。
点が決まるかどうかのポイントはそこです。
最低限、試合中を維持できる豊富なスタミナは、選手としての大前提です。
受験生でも同じです。
テスト中、問題に向かって回答し続けるだけの「集中力」が必要です。
試験中に集中力が切れてしまうと、頭の回転が急に鈍くなります。
頭がぼうっとしたり、くらくらしたりし始めると、普段はわかる問題がわからなくなり、凡ミスをしてしまうことになります。
集中力があってこそ、学力が十分に発揮できます。
大切なことは、試験中に切れない程度の集中力を普段から養っておくことです。
そのために必要なことは、普段の勉強時間を工夫することです。
できるだけ試験時間と同じくらいに設定しておきましょう。
もし、試験が90分間なら、普段の1セットの勉強時間も90分にしておきます。
試験と同じ時間の間、普段の勉強でも集中が継続できれば、本番でもうまくいきます。
もちろんいきなり長時間の集中が難しければ、短い時間から始めていきましょう。
30分くらいから始め、45分、60分というようにステップアップします。
慣れていくにつれて、次第に勉強時間も長くします。
最終的には、試験と同じ時間1セットの勉強をしておくようにしましょう。
試験中くらいは、切れない程度の集中力を普段から養い、本番でも維持できるだけの集中力を普段から鍛えておくのです。
模擬試験は、長時間に及ぶものがほとんどです。
1科目のテストだけでも大変な集中力を使うというのに、1日に複数の教科を受けることになります。
模擬試験が終わったころには、体力も集中力もかなり使い果たしていることでしょう。
模擬試験を受けた後は、疲れてぼうっとします。
ここからが正念場です。
通常、模擬試験を受け終わった後は、わかりやすい解説付きの回答がすぐ配られます。
なぜすぐ配るのか考えたことがあるでしょうか。
受験生に、すぐ見直しをしてもらいたいからです。
へとへとに疲れて、回答を見たり答え合わせをしたりする元気がないかもしれませんが、もう一踏ん張りです。
実は、模擬試験を受けた直後こそ、復習のベストタイミングです。
試験を受けた直後ですから、試験の内容をしっかり覚えているはずです。
一生懸命に考えた問題の答えが合っているのか気になるでしょう。
そうした気持ちが熱いうちに、見直しをしておくべきです。
模擬試験を受けた直後に復習すると、頭に入ります。
どうしても事情があってすぐ復習できない場合でも、3日以内を心がけましょう。
あまり先延ばしにしてしまうと、受けたテストの内容や気持ちが薄れてしまい、復習効果も薄れてしまいます。
疲れて休みたいところですが、もう一踏ん張りです。
模擬試験後の本当の休憩は、模擬試験の復習が終わってからにしましょう。
私は学生時代、試験問題の中でまったくわからない4択問題があれば、いつもある決まったルールを実行していました。
「わからない問題は3番目を選ぶ」というルールです。
もちろん正解がわかる問題なら、その選択肢をマークします。
「これはさすがにないだろう」と思う項目は先に消して、消去法で正解を導くこともあります。
しかし、問題が難しすぎて、4つの選択肢のうち、まったく見当がつかない問題が出題されることもあります。
わからないものは、いくら考えてもわかりません。
そういうとき、私はいつも「3番目を選ぶ」というルールを実行していました。
そういうルールをあらかじめつくっていました。
なぜそうするのか、おわかりでしょうか。
問題を解くのは人間ですが、問題をつくるのも人間です。
人間ですから、正解の配置にも、人間の心理が影響します。
ある統計によると、4択問題のうち、最も正解率が高いのは3番目である場合が多いそうです。
試験をつくる側としては、やはりいきなり最初に答えを配置するのは、抵抗の心理が働きます。
「まあ、3番目くらいでいいだろう」ということで、3番目に答えがくることが多いそうです。
コンピューターで無作為に選ぶ場合は均等になるでしょうが、つくるのが人間である場合、無意識のうちに偏りも出ます。
もちろん一般的という程度です。
問題作成者の性格や気分にもよって変わります。
1番目が正解であったり、2番目や3番目が正解であったりする場合もあります。
しかし、やはり問題をつくるのも人間ですから、人間心理も影響するはずです。
完全にわからない問題が出たときは、そうした人間心理の裏をついて、選択肢を選ぶのも悪くない方法です。
「試験問題の中で、全然わからない問題が出てきた」
そんなとき、あなたならどうしていますか。
わからない問題ですから、基本的にどうしてもかまいません。
4択問題の場合は「3番目を選ぶ」というルールをあらかじめ決めておくのもいいでしょう。
鉛筆を転がして選ぶ方法も、時には有効です。
直感を信じて、最初にぴんと感じた選択肢を選ぶというのもいいでしょう。
「完全にわからない問題が出たときどうするか」を、あらかじめ考えておくことです。
なぜそうするのか。
「わからない問題に無駄な時間を費やさないため」です。
自分の学力が足りず、考えてもわからない問題は「わからないときにはこうする」と自分ルールをつくっておくことが大切です。
わからない問題に無駄な時間を使うことを防げます。
自分のルールを信じていれば、見切るときも精神的に楽になります。
節約できた時間は解ける問題に回して、確実に点を取るようにします。
わからない問題はさっさと見切りをつける一方で、わかる問題こそ時間をかけて確実に回答していくことです。
わからない問題に無駄に時間を使いすぎてしまったため時間切れになった、という事態だけは避けたい。
笑えるに笑えませんね。
そうならないために、わからない問題はさっと諦め、わかる問題に進むという見切りの速さが大切です。
学期末試験や模擬試験では、1日にいくつも試験を受けるのが通例です。
朝から夜までずっと試験ばかりという日さえあります。
試験が終わった直後、よく見かける光景があります。
「テスト、難しかったね。最初の問題の答え、何にした?」
友人との答え合わせです。
やはり問題を解き終わった後は正解が気になり、休み時間に友人と答え合わせをしたくなります。
一生懸命に試験勉強をしたテストほど、気持ちが高ぶって答えが気になります。
しかし、1日にいくつもの教科の試験を受ける場合、一連の試験がすべて終了するまで答え合わせはしないほうがいい。
間違っていれば、精神的に動揺し、次の試験に影響を及ぼすからです。
悪い結果は、なぜか長く引きずります。
動揺や不安が広がると、次の試験に集中しにくくなります。
「出来が悪いかもしれない。どうしよう……」
どうしようと思っても、どうしようもありません。
今さら変更しようがないです。
それより気持ちをさっと切り替えることです。
受け終わった試験のことは忘れ、数十分後に受ける次の試験に向けて気持ちを集中させましょう。
休み時間のうちに少しでも試験勉強すれば、間に合うことが何か見つかるかもしれません。
休み時間に友人との答え合わせをするくらいなら、次の試験の勉強をするほうがよほど有益です。
友人と試験のことで話し合ったり答え合わせをしたりするのは、一連の試験をすべて受け終わってからです。
教科書を開いて、気になる問題の答えを確認してもいいでしょう。
模擬試験の場合は、試験後すぐ回答が配られるはずですから、そのまま復習もスムーズにできるはずです。
そのタイミングで間違いに気づき、動揺する分にはいい効果を生み出します。
「知識の穴が見つかった」
本試験までに埋めるべき穴を見つけ、勉強へのやる気へと変えましょう。
その勢いで復習するのです。
「よく寝られなくて睡眠不足だった。試験が悪いのはそのせいだ」
「緊張して夜は寝られなかった。本番は睡眠不足で頭が回らなかった」
試験ができなかった言い訳を睡眠不足のせいにする人がいます。
試験前は強い緊張が伴い、十分な睡眠が取れない場合があります。
寝よう寝ようと思って逆に寝られなくなった、という経験をした人も多いはずです。
しかし「睡眠不足」と「結果の善しあし」は別問題です。
関係ありません。
眠れないほど緊張するなら、試験中も緊張で頭が冴えるはずです。
どんなに睡眠不足でも、試験中は頭が冴えます。
徹夜で試験勉強した人が眠くてテスト中に眠ってしまった、という話は聞いたことがありません。
徹夜で勉強した人も睡眠不足ですが、試験前の緊張で頭が冴えています。
眠れないほど緊張しているなら、試験中も緊張して眠気は飛んでいきます。
その人は、自分が勉強不足ということを認めたくないので、睡眠不足を原因にして逃げようとしているだけです。
どんなに試験前に、睡眠不足になっても大きな問題にはなりません。
緊張が伴う試験中は、どんなに眠くても、頭が冴えるのです。
学生時代、答案用紙に名前を書き忘れている人がいました。
問題はきちんと回答できているのに、名前だけ書き忘れている状態です。
それも一度や二度に限らず、そうした光景を目にしました。
かくいう私も、実は何度かあります。
優しい先生だったので0点にはならずにすみましたが、ひやっとした経験でした。
先生はひどく怒っていました。
もしこれが入試試験なら、笑えません。
確実に0点です。
自分にも経験があるので、名前を書き忘れる心理はよくわかります。
「早く問題を解き始めたい!」という気持ちが強いあまり、注意が問題に向いてしまいます。
問題文のところだけ注意が向き、名前を書く欄が視界に入っていません。
笑ってしまいますが、切実な悩みでした。
私がこれを克服した方法は、簡単な方法でした。
「空欄になっているところはすべて埋める」という意識に変えればいい。
その後、名前を飛ばしてしまうことは完全になくなりました。
たわいない方法ですが、効果があります。
答案用紙の全体を見渡したとき、四角で空欄になっているところがあると気づけます。
テストを解き終わって全体の見直しをしているときに、実は名前を書き忘れていたことも気づけるのです。
「部分点」がもらえる問題形式があります。
国語・数学・歴史など、記述形式で回答する場合によく見られます。
「主人公が、なぜ家に戻ったのか、心情を述べよ」
「円周率が3以上であることを証明せよ」
「豊臣秀吉が太閤検地を実施した理由を述べよ」
回答の記述がどれだけ正しく詳細まで書かれているかによって、もらえる点数が決まります。
完全な正答ではないが、初歩的な理解はできていると採点者が感じたとき、ある程度点がもらえます。
これは大切なことです。
わからなくても、わからないなりに悪あがきをすることです。
本当は見当のつかない問題でも「もしかしたら」と思って書いた内容で部分点がもらえることは十分に考えられます。
できるだけ長い文章を書いて「もう少しで回答できる」という「そぶり」を見せるのも、実力のうちです。
悪あがきによってもらえた部分点で、合否が決まることもあるのです。
試験全体を解き終えて、時間がわずかに残っていることがあります。
後回しにした問題を解いて、とりあえず空欄はすべて埋め、まだ時間が残っている場合です。
試験全体を解き終えた後にすることといえば「見直し」ですね。
問題1から順番に見直しをしたいところですが、時に判断に困る場面があります。
時間は残っているが、問題全体を見直すほどの時間ではない場合です。
時間配分で困ります。
残り少ない見直し時間をどう有効活用するべきか、迷います。
迷っている時間ですら、もったいない。
1つアドバイスがあります。
解ける問題が確実に回答できているかを重点的に確認しましょう。
自信がない問題を見直ししても、やはり自信がないのではっきりしません。
それより、確実に解ける問題で凡ミスがないかを確かめるほうが、はるかに価値があります。
当たり前にできる問題ほど、うっかりとしたミスが多いです。
基本的なところでミスをしていたばかりに、回答が台無しになることがあります。
わからない問題で点が取れないのは、ある程度諦めもつきます。
しかし、わかる問題で間違っているのは悔しくてなりません。
それで受験が失敗したら、一生傷が残ります。
解ける問題が確実に回答できていることを、重点的に見直していきましょう。
ときどき問題用紙に書き込みを控える人がいます。
きれいな状態で問題用紙を提出したいと考えているのでしょうが、試験ではまったく不要です。
問題用紙は汚すものです。
たくさん汚しましょう。
問題を読んで、回答しやすくなるような書き込みは、ためらわず、どんどん書き込んでください。
問題用紙にどれだけ書き込みがあっても、減点されることはありません。
複数の選択肢がある問題を読んで「これは違うだろう」という問題から印をつけます。
丸印やバツ印をつけて、見やすくしましょう。
気になる一文にはアンダーラインを入れて、強調します。
点線でもいいです。
波線でもかまいません。
あとから見直しをしようと思う問題には、星マークを付けるなど工夫しだいです。
当然、問題用紙が汚れますが、これでいい。
大切なことは、自分が回答しやすい状態をつくることです。
問題用紙に書き込みをしないと、あとから読み直したり、考え直したりする時間が発生してしまいます。
もし「問題用紙に書き込んではいけません」と言われても、薄い字で書き込んで、あとから消しゴムで消せばいい。
そのくらいの度胸がないといけません。
問題用紙にどんどん書き込んで、回答しやすくしましょう。
テストは、本人の学力が反映されます。
と言いたいところですが、実は違います。
学力以外に、もう1つ反映される要素があります。
「慣れ」です。
いくら学力があっても、試験の形式や雰囲気に慣れていないがために、失敗すると言うことはよくあります。
「一生懸命に練習したスポーツ選手が、本番の緊張に負けて、本来の力を発揮できなかった」
よく聞く話ですね。
大学入試や資格取得の試験でも同じで、学力以外に「慣れ」も得点につながります。
過去問を解くと以下のようなメリットがあります。
過去問を解かずにいきなり本試験に挑むと、度肝を抜かれます。
想定外の出題形式のため、形式を把握したり回答方法で戸惑ったりなど、無駄な時間を使うことがあります。
慣れない雰囲気で緊張したり焦ったりすることもあるでしょう。
「思っていたのとは違う」
そんなことがないように、あらかじめ形式や雰囲気に慣れておくことが必要です。
インプットの練習ができれば、アウトプットの練習です。
ため込んだ知識を吐き出す練習をして、慣れておきましょう。
試験は学力だけでなく、慣れによって左右されることがあります。
大学入試の本試験前には必ず「過去問」を解くことをおすすめします。
過去2、3年分といわず、過去問を受けられるだけ受けておきましょう。
20年分の過去問があれば、20年分の過去問を受けておきます。
大手予備校が主催している本番さながらの模擬試験があれば、受けておくのもいいでしょう。
その準備があれば、本番ではスムーズに回答ができます。
高校2年生のときの担任は、米井先生という英語を担当する男性教師でした。
米井先生はとても厳しい先生でした。
怒るときには、大きな声で隣の教室まで聞こえるような声で怒鳴ります。
しかし、米井先生が怒るシチュエーションは、少し変わっていました。
「テストで悪い点を取ったとき」ではありません。
テストで悪い点を取ったときは「次から頑張れ」で終わります。
米井先生が本当に怒るのは「テストの答案用紙に空白があるとき」でした。
生徒の中には、知らない問題は答えの書きようがないと思い、空白のまま答案用紙を提出する人がいます。
これを、米井先生はひどく嫌いました。
「運も実力のうち」
そう断言していました。
「どんなにわからなくてもいいからとにかく空欄を埋めろ! テストの点数には運も含まれている」
たとえ、たまたま偶然で正解したとしても米井先生は「運も実力のうち」と言って許してくれます。
空欄でテストを提出する生徒がいるたびに怒鳴ります。
米井先生からの教えを受けて、私の場合、見当の付かない問題が出ても、とにかく空欄は埋めるようになりました。
適当でもいいし、勘でもいい。
空欄は確実にゼロですが、何か書けば、正解する可能性はあります。
場合によっては部分点をもらえることもあるでしょう。
たまたま正解でもいい。
運も実力のうちなのです。
テストではどんなにわからない問題が出題されても、空欄は絶対に埋めることです。
空欄のままでは、点をもらえる可能性はゼロです。
しかし、わからなくてもいいから何か書けば、点をもらえる可能性があります。
運もテストの点数に反映されます。
この「わからないから空欄のままにする」という行為には、実はテストでスコアを得るだけでなく、もう1つ深い意味があります。
「返事のできる人間性を形成する」という重要な意味があります。
テストで「わからないから空欄のままにする」という癖がついてしまうと、人間関係では苦労します。
誰かに話しかけられたとき「知らないことは返事をしない」という人間に育ってしまうからです。
テストであれ人間関係であれ「知らないことはほうっておく」という根底部分は同じです。
人に話しかけられたとき、内容がわからないから返事をしないのでは、トラブルになります。
知らないから返事をしないのは「無視」と同じです。
コミュニケーションが完全に中断され、人間関係もうまくいくはずがありません。
わからなければ、わからないなりに返事があるはずです。
「知識不足でわかりません」でもいいですし「教えてください」という返事でもいいでしょう。
会話のキャッチボールを継続することです。
適当な返事でもいいから、とにかく無視は避けることです。
これは重要です。
未知の会話が登場しても、わからないなりに何か返事をすれば、コミュニケーションが続くことでしょう。
下手な会話でもいい。
大切なことは「とにかく返事はする」という姿勢です。
何でもいいから答えを埋める習慣によって、人間関係のうまい人として育っていくのです。
人によっては、そもそも夜型の人もいることでしょう。
夜のほうが静かで、性格に合っていると感じる人がいるのもたしかです。
塾のせいで夜型にならざるを得ない人もいることでしょう。
試験日が近づいてくると、知識不足を感じ始めるようになるため焦り、気づけば夜型になっていることもあります。
自分の生活リズムに合わせた時間帯に勉強するのがいちばんです。
普段は夜型でもいいですが、試験日が迫れば、朝型に戻す工夫を忘れないでください。
試験は日中に行われるからです。
しかもほとんどの場合、午前の早い時間から始まります。
夜型の人が、いきなり朝早くにテストを受けようとしても、なかなかうまくいきません。
生活リズムがずれてしまうと、頭の回転が鈍くなり、本来の力を発揮できなくなります。
本当はうまくいくはずが、寝ぼけていたので、うまくいかなかったのでは話になりません。
準備を始める目安としては、試験日1週間前からです。
いつもより30分早く寝て、いつもより30分早く起きます。
これを繰り返していけば、1週間も余裕があれば、生活リズムの調整ができることでしょう。
大切なことは、試験日にベストコンディションになるよう調整することなのです。
今、ティッシュとハンカチを持っている人が少なくなっています。
ポケットに入れるのは面倒という理由がほとんどです。
しかし、どんなに面倒でも、試験の日は必ず持参しましょう。
心配事を1つでも減らすためです。
ささいなことですが、助けられます。
突然、道で転んで、膝を擦りむくこともあるでしょう。
ハンカチやティッシュは万能です。
お手洗いはもちろん、体調不良から突然の事故まで、幅広くカバーできます。
おおむね初歩的な応急処置なら、対応できることでしょう。
小さなハンカチとティッシュですが、心労は大きく減ります。
試験の日くらいは試験のことだけ集中するために、ハンカチとティッシュは必ず持参しましょう。
邪魔になるとはいえ、いざというとき助けられるアイテムなのです。
模擬試験を受けるとき、受験料は誰が出していますか。
学生ですから、ほとんどの場合、親からお金を出してもらう場合が多いことでしょう。
当たり前といえば、当たり前です。
しかし、その当たり前の流れが、いつの間にか模擬試験を受けるときのやる気を小さくしている場合があります。
親のお金ですべて出してもらうと、やはり気持ちが緩みます。
「どうせ自分のお金じゃないし、落ちても大丈夫」
試験を受ける価値が低くなり、勉強へのやる気が薄らいでしまいます。
試験に向けた独特の緊張感も小さくなります。
しかし、自分のお金で受ける場合、どうでしょうか。
自分が一生懸命にアルバイトで貯めたお金で模擬試験の受験料を支払うと、試験に向けた気持ちが引き締まります。
多少なりとも自分の財布が痛むため「金額の元は取ってやろう!」という気持ちが自然と出てくるようになります。
「元を取ってやろう」という意地が「勉強しなければ!」というやる気へと変化します。
受験料とはいえ、何万円もするものではないはずです。
十分にお金に余裕のあるわけではない学生にとって、厳しい現実もあるでしょう。
「お金でやる気を買っている」と考えればいい。
やる気を出して、模擬試験としても効果を十二分に発揮するためにも、自分のお金で受けることをおすすめします。
自分のお金が絡むと、やる気を出すのが人間なのです。
学生時代は、いろいろな模擬試験を受けてきました。
学校で受ける模擬試験もあれば、各予備校が主催する模擬試験も受けたことが何度もあります。
試験中は静まり返っていると言いたいところですが、残念ながらそうではありません。
時と場合によって、試験中に気になる音があります。
鉛筆の音です。
とある模擬試験中のことです。
たまたま隣に座っている受験生の鉛筆の音が気になり、集中力を乱されたことがありました。
静かな教室では、鉛筆で文字を書く音がよく聞こえます。
「カリカリ、カリカリ」
自分が問題文を読んで考えている最中に、隣から軽快な鉛筆の音が聞こえると、集中力が乱れます。
書いている音からして、順調そうです。
「隣の人はすらすら問題を解いているな。順調そうだ。それに比べて自分は……」
不安になったり焦ったりして、集中力が奪われます。
こうしたことがときどきではなく、試験を受けるたびにあります。
だからとはいえ、試験中に「鉛筆の音がうるさい」とも言えない。
隣の人が、鉛筆ですらすら書く音が軽快で、妬んでしまいます。
簡単に問題を解いているように感じてしまいます。
こういうときはどうすればいいのでしょうか。
耳栓をすればいい。
意外に知られていませんが、ほとんどの試験では、耳栓が許可されています。
たとえ、試験官に「それは何だね」と疑われても「耳栓です」と答えれば、許可してくれるはずです。
耳栓は、威力を発揮します。
試験中の鉛筆の音が消え、静寂の空間を手に入れられます。
耳栓は、たかだか数百円です。
その数百円で、集中できる空間と時間を手に入れられるのです。
マラソン競技では、ほかの選手たちと大勢で走ります。
普段の練習ではタイムが普通でも、本番になると急にタイムを伸ばす選手がいます。
自分より早い選手に引っ張られるからです。
本番では、ほかの選手たちと生々しく早さを競うことになります。
普段の練習では1人で走っていると、完全に独走状態になるため、どこか気が抜けてしまいます。
マイペースもいいですが、どこか自分の殻を破れない状況です。
しかし、ほかの選手たちがいると一転します。
自分より速く走る人に引っ張られ、自然と自分のタイムまでよくなります。
潜在的な力が発揮されています。
競争することで、自然と潜在的な力が発揮され、本番では信じられないほどタイムが良くなります。
競争相手がいるというのは、自分がより成長するために必要です。
「負けるものか」と必死になり、火事場のばか力を発揮しやすくなります。
各種スポーツで、練習より本番のほうがいい成績を残すのはそうした理由からです。
マラソンはスポーツですが、勉強にも通ずる部分があります。
勉強では個人の学力が鍵を握りますが、そこには競争があります。
模擬試験を受けてください。
模擬試験の結果では、偏差値だけでなく、自分の順位まで発表されます。
自分の位置がはっきりわかると、強いショックを受けることでしょう。
普段、一生懸命に勉強していると「十分に頑張っている」と思います。
しかし、順位表を見ると「自分より頑張っている人はまだまだたくさんいる」ということに気づかされます。
世の中、上には上がいることを思い知らされます。
これがいい刺激になります。
勉強への原動力になったり、やる気を維持したりする効果を生み出します。
マラソンのように、自分より上の人間に引っ張られながら、潜在的な力がさらに発揮されるのです。
試験当日というのは、相当ストレスがあります。
受験への不安はもちろんのこと、体調管理への不安、温かい服装選び、将来への不安など、多くのストレスを感じる日です。
さまざまなストレスが一度にのしかかるので、気分が悪くなったり、吐き気を催したりすることもあるでしょう。
当日に感じるであろうストレスを、事前に1つでもなくしておきたいところです。
実は、1つ、取り除く方法があります。
それが「試験会場までの下見」です。
初めて歩く道は、誰でも不安を感じます。
試験会場までの道のりがはっきりわかっていないと、ストレスも大きくなります。
「どの道を通ればいいのか」
「どのくらい時間がかかるのか」
「目印となる建物や看板はどこにあるのか」
地図のとおりに道を歩いていても「もしかして違う道を歩いているのではないか」と、不安になります。
今見ている地図は古い地図で、目印となる建物や道はすでにないかもしれません。
それを確実に確かめるには、やはり下見がいちばんです。
一度でも行ったことがあれば、どの道を歩いて、どのくらい時間がかかるのか具体的に想像できるようになります。
目印となる建物や看板もすぐ見つけることができます。
事実、私の場合、下見のおかげで助けられたことがあります。
とある模擬試験を受けるとき、前日に、試験会場を下見に行ったことがありました。
試験当日になって迷子になり、時間に遅れないようにしたかったからです。
実はこのとき、会場に行き着くまでかなり時間を使ってしまったことがあります。
細い道で入り組んだ道の先に模擬試験会場があり、すぐたどり着けなくて困りました。
これはまだ下見だから良かったものの、もし本試験のときなら、ぞっとします。
もし、建物内に入れるなら、できれば階段の場所やトイレの場所まで確認しておけば完璧です。
建物の種類によっては、階段やトイレの場所がわかりにくい場合があります。
事前に取り除くことができる不安やストレスは、事前に取り除いて、本番に備えておきましょう。
試験が始まる前の光景は独特です。
2種類のタイプの人を見かけます。
「試験時間ぎりぎりまで勉強する人」と「直前だからこそ勉強しない人」です。
試験ぎりぎりまで勉強する人の気持ちは、言うまでもありませんね。
できるだけ長く勉強して、少しでもいい点を取りたい意気込みがよく伝わってきます。
しかし、直前だからとはいえ、勉強しないのはもったいないです。
まだ勉強時間があります。
完全に試験を諦めている場合でも、わずかに時間がありますから、少しくらい勉強ができるはずです。
逆のケースもあります。
十二分に勉強をして余裕を見せている人かもしれません。
試験前に余裕を見せてかっこつけようとする人に限って、本番では滑ります。
試験直前とはいえ、まだ時間はあります。
悪あがきは、かっこ悪くありません。
それは、まだ諦めていない熱意です。
悪あがきが、功を奏することもあります。
たまたま試験前に教科書で読んだことが、テストに出るかもしれません。
まぐれでも、偶然でも、運でもいい。
試験開始まで3分しかなくても、3分でできる勉強もあります。
悪あがきをしましょう。
試験前のほんの数分間に、わずかな希望を見いだそうとする人は、やはり試験でも報われます。
最後の最後まで、諦めないのです。
試験会場へは、試験が始まるぎりぎりに到着するのはおすすめしません。
普段は時間にルーズな人でも、試験の日くらいは、早めに試験会場に到着することです。
試験が始まるぎりぎりに到着するとどうなるでしょうか。
トイレに行きたくても、行く時間がなくなります。
トイレを我慢しながらの試験ほど、集中できない状況はありません。
テスト中にお漏らしするわけにもいきません。
呼吸を整えたり、汗を拭く時間もなかったりします。
呼吸が荒くて試験に集中できなかったり、汗で問題用紙がよれよれになったりするのは嫌です。
また、ぎりぎりで到着したという心理的な余韻が残り、試験に集中しにくくなってしまうでしょう。
できるかぎり余裕を持って到着しておくようにしましょう。
たとえ、悪天候や人身事故などで電車やバスが遅れていたとしても、最悪の状況を避けることができます。
さあ、ここまではすでに皆さんもご存じの内容でしょう。
実は、早めに到着する理由がもう1つあります。
これこそ真の理由です。
「優越感を得るため」です。
「早めに到着している」という行為そのものが、実はすでにほかの人より優位な状態です。
早く到着し、早く準備ができています。
呼吸も十分落ち着いています。
ほかの人より早く行動できている状態は「自分は今、トップに立っている」と心理的な優越感を試験前につくり出せます。
余計な不安に振り回されず、気持ちよく試験をスタートできることでしょう。
試験を始める前に勝負がついています。
ぎりぎりに到着しても、問題なく試験を受けられることに変わりはありません。
しかし、実はすでに試験前に勝負が出来上がっているのです。
テレビでニュースを見ていると、ときおり、感動的な物語を耳にすることがあります。
雪山で遭難した人が、奇跡的に救助されるという話。
登山で足をけがして動けなくなったところ、たまたま通りかかった人に助けられた話。
嵐で大破した船から放り出され、海をさまよった人が、自力で陸まで泳いで助かるという話。
誰もが死を覚悟した絶望的な窮地から、奇跡的に生還するなどの内容です。
絶望的な窮地から助かった人に話を聞くと、必ず次のような言葉が返って来ます。
「最後まで諦めなかった」
ありきたりの言葉です。
しかし、感慨深い響きがあります。
窮地から生還した人の言葉だからこそ、強い力が感じられます。
最後まで望みを捨てなかったから、長く生き延びることができ、命が助かった。
悪あがきでさえも、人生を変える力になります。
「まだ時間はある」
「ぎりぎりまで希望は捨てない」
「死ぬまで望みを捨てない」
これに勝る命綱はありません。
最後に人を救うのは、実は「精神力」なのかもしれません。
これは窮地に陥った人だけに通じる話ではありません。
テストでも同じです。
テスト中にも、最後まで諦めないことです。
難しい問題があって「こんなのわかるはずがない」と思えばそこで終わります。
しかし、時間が残っているかぎり「何か糸口があるのではないか」と考えます。
これまで勉強した知識を総動員して、さまざまな角度から考え、試行錯誤します。
突然、思わぬ突破口がぱっとひらめき、正解に結びつくこともあるでしょう。
一生懸命に考えるからこそ、そういうチャンスにも恵まれます。
そういう精神力を持つことです。
時間があるかぎり諦めない、ということです。
窮地から奇跡的な生還を果たした人のように、諦めない人が、感動的な奇跡を達成できるのです。