学生時代は、さまざまな友人の部屋に遊びに行きました。
友人の中には成績のいい人もいましたし、逆に悪い人もいました。
田舎の小さな学校なので、生徒同士あまり壁がなく、みんなが分け隔てなく交流していました。
友人の家に遊びに行って、まず拝見するのは、やはり友人の部屋ですね。
さまざまな友人の家に遊びに行き、さまざまな部屋を見せてもらいました。
私は友人の部屋を見るのが好きでした。
他人の部屋を見るというのは、なぜかどきどきしませんか。
秘密をこっそり教えてもらっているようで、友人と遊ぶより部屋を見るほうが楽しみでした。
部屋を見れば、その人がどういう性格で、どういう生活をしているのかよくわかります。
同じ人間なのに、人によって部屋の様子は全然違います。
部屋といっても千差万別です。
こんなにも部屋の光景が違うかと、いつも驚きと感動がありました。
たくさんの友人の部屋を見せてもらった結果、ある日、ふと気づいたことがあります。
成績のいい人と悪い人の「部屋の共通点」を発見しました。
成績が悪い人の部屋には、3つの共通点がありました。
まず第1の共通点は「漫画と雑誌」です。
必ず置いてあります。
いえ、出しっぱなしというほうが適切かもしれません。
成績が悪い人には、十中八九と言っていいほど、漫画や雑誌が部屋に散らばっていました。
その散らばっている様子から「ついさっきまで漫画を読んでいました」というのがよくわかるほどでした。
人気漫画の全巻が揃っている人さえいました。
第2の共通点は「ゲーム機」です。
部屋の中央にどんと置かれているのが印象的です。
部屋に入ってテレビとゲーム機のスイッチを入れれば、すぐ始められるようにスタンバイされています。
そのいつでもゲームができる状態を見て「いつもゲームばかりしているんだな」とわかります。
第3の共通点は「部屋の雰囲気が悪いこと」です。
雰囲気が悪くなる原因は、さまざまです。
日当たりが悪くて、部屋が暗い。
飲みかけの缶ジュースが置いてある。
掃除がされていなくて、ほこりっぽい。
布団は敷いたまま。
パジャマが脱ぎ捨てられている。
布団を何カ月も洗っていないためか、部屋に入った瞬間に汗のにおいがする部屋もありました。
さすがに気持ちが悪くなってしまったこともありました。
どんよりした空気が流れ、とにかく雰囲気が悪いです。
自然と気持ちが下がってしまう部屋でした。
「さすが勉強しない人の部屋だけのことはある」と感心したものでした。
漫画・雑誌・ゲーム機・部屋の雰囲気といい、勉強がしたい気持ちにはなれない部屋でした。