今、私は社会人です。
学生時代は、勉強ばかりというイメージがあります。
しかし、今になって学生時代を振り返ると「単なる勉強ではなく、世渡り術を学んでいた」と痛感します。
たとえば、代表的なところでは「覚え方」です。
受験時代には、覚えやすく忘れにくい方法を使って学習を進めます。
覚える量を短く区切ったり、語呂合わせで覚えたり、声に出して覚えたりなど、方法はいくつもあります。
人によって個人差がありますから、自分の特徴に合わせた覚え方を、学生時代のうちに見つけておきます。
社会に出てから、新しい仕事で言葉や技術を覚えるときにも通用します。
先生にわからないところを教えてもらうときの姿勢も同じです。
意地を張っている人の学力は伸びません。
わからないところは、わかる人に「教えてください」と素直に教えてもらう姿勢は、受験だけでなく社会に出てからも共通です。
そういう低姿勢になり、謙虚さや人間関係術を学ぶ大切な機会です。
また、受験のように限られた時間内で、最大の効果を発揮するために、勉強のやり方を工夫する知恵が必要です。
受験時代に磨かれた時間管理術は、社会に出て、短い時間で最大の結果を出そうとするプロセスにも応用が利きます。
勉強に強弱をつけたり、優先順位を考えたりするノウハウは、仕事でもまったく共通です。
そういう意味で、受験とは社会でも十分通用する力をつける修行の場です。
学生時代は、勉強ばかりの毎日と思います。
それらはすでに、社会勉強の一環です。
学生時代はなかなかそれが実感できませんが、受験を通して得られた知恵は、社会に出てから大いに役立ちます。
すでに社会勉強が始まっているのです。