「先生に叱られた!」
「先生に厳しくされた!」
そう言って、すぐむっとする人がいます。
厳しいからといって、すぐ先生を嫌いにならないでください。
叱られたからといって、すぐ習い事を辞めないことです。
厳しく接してくれる先生やきちんと叱ってくれる先生は、貴重でありがたいことだからです。
今の世の中、優しい先生であふれかえっています。
ほとんどの先生が、優しく穏やかに教えてくれます。
一方、厳しい先生は非常に少数です。
「絶滅危惧種」と言っても大げさではありません。
なぜ優しい先生が多くて、厳しい先生が少ないのか。
先生にも「生活」があるからです。
叱ったり厳しくしたりすると、生徒が減ります。
クレームの嵐に遭います。
これはどこの習い事でもそうです。
生徒が減ると、収入にも影響します。
特に個人で教室を開いている先生にとっては、生徒の数は収入に直結します。
「厳しい先生」「よく叱る先生」といった噂が広まれば、新しい生徒が集まりにくくなります。
そのため先生は、生徒をつなぎ止めるため、できるだけ優しく接するようにしているのです。
遅刻をしても、叱られません。
宿題や練習をサボっても、注意されません。
授業中、だらしない態度をしても叱りません。
注意するとしても「次から気をつけてくださいね」と軽い一言言うくらいなもの。
本来はしかるべき場面でも、波風を立てないよう優しく穏便に済ませてしまう。
それが今の「当たり前」になりつつあります。
だからこそ今の時代において、厳しい先生、きちんと叱ってくれる先生は貴重です。
遅刻をしたとき、厳しく注意する。
宿題や練習をサボったとき、びしっと叱る。
授業中の態度が悪ければ、きちんと正す。
そうした厳しさの裏には「本気で教えたい」「しっかり成長してほしい」という強い思いがあります。
生徒のために愛情を持って接しているのです。
たとえ嫌われるかもしれないと思っても、たとえ生徒が離れるリスクがあったとしても、厳しく接してくれるのは本気の証しです。
緊張感があってぴりぴりした空気もありますが、その厳しさのおかげで成長が促されるのです。
今「叱られることに慣れていない生徒」が増えています。
「あの先生は厳しいから嫌だ」
「あの先生は叱るから辞めたい」
そう安易に決めつけるのはもったいないことです。
むしろ厳しい先生、きちんと叱ってくれる先生に感謝することです。
先生の「本気の姿勢」を理解すれば、安易に悪く言えません。
厳しい先生、きちんと叱ってくれる先生は、ありがたい存在なのです。