社会人になると、仕事をしながら習い事をする人も多いでしょう。
仕事に直結する習い事もあれば、趣味の延長のような習い事もあります。
しかし、仕事と関係ない習い事だからといって、本当にそうとは限りません。
たとえ直接的に仕事と関係はなくても、どこかで、いつか、思いがけない形で、生かされることがあります。
たとえば、生け花です。
生け花で磨かれた美的感覚や精神性は、自然と普段の仕事でも生かされます。
海外でも生け花は人気で、ビジネススクールの授業にも取り入れているケースがあるほどです。
生け花で磨かれた美的センスは、プレゼン資料や商品陳列などに生かされます。
陶芸はどうでしょうか。
陶芸を通して集中力や根気力が鍛えられると、それが業務の継続力や粘り強さに結びつくことがあります。
アップルの創業者スティーブ・ジョブズが、若い頃に熱中したのは「カリグラフィー(書道)」でした。
彼はそれを通して「美しい文字デザイン」を学び、後のマッキントッシュのフォント設計に影響を与えたと語っています。
スポーツ系の習い事なら、体力や持久力が養われ、多忙な仕事を乗り切る基礎体力となるでしょう。
囲碁や将棋といった頭脳系の習い事なら、仕事の意思決定やリスク管理の力を育てるのに役立ちます。
このように習い事そのものは直接仕事に結びつかなくても、そこから得た力や気づきが、回りまわって仕事に好影響を与えるのです。
そのほとんどは「思いがけない形」です。
「仕事のために習い事をしているわけではない」と思っていても、結果的に仕事に役立っている。
これが、大人の習い事の面白さなのです。
あなたが今している習い事は、どんな形で仕事に生かされているでしょうか。
じっくり振り返ってみると、きっと面白い発見があるはずです。
音楽教室で養った「集中力」が、仕事の資料作成で生かされることがあるでしょう。
料理教室で学んだ「段取り力」が、仕事のプロジェクト進行に生かされることがあるでしょう。
あらためて振り返ってみると「そういえば、ここで生かされているね」と気づくことがあるのではないでしょうか。
意識していなくても、いつの間にか生かされていることがあるものです。
仕事とのつながりが見えると、習い事の意義が感じられます。
それが習い事のやる気やモチベーションを高めることにもつながります。
仕事に生かされない習い事はないのです。