成長するためには「うわ、何だかわからないけどすごい」という体験が必要です。
わからなくてもいいのです。
わかるものを体験することも大切ですが、わからないことを体験することはもっと大切です。
私たちはすごいものに出会うと、その迫力に圧倒され、言葉を失います。
「うわ、何だかわからないけどすごい」というのは、自分の理解を超えているからです。
自分の理解を超えたときは「わからない」という状態になります。
頭の中にクエスチョンマーク(?)が点滅していますが、同時にエクスクラメーションマーク(!)も点滅しています。
不思議な感覚に陥って、うまく形容する言葉が見つかりません。
しかし、すごいことだけはわかるのです。
本物や一流作品を鑑賞したとき、よくあります。
有名な絵画や彫刻を鑑賞したとき、一流のクラシックコンサートを鑑賞したとき、生で能や歌舞伎を鑑賞したとき。
旅行に行って、歴史的な建築物や古代遺跡を目の当たりにしたときも「うわ、何だかわからないけどすごい」となります。
大阪にある岡本太郎の代表作「太陽の塔」を直接見れば、誰でも「うわ、何だかわからないけどすごい」となります。
あれは岡本太郎の魂であり、エネルギーの塊だからです。
理解はできず、口ではうまく説明できないものの、すごいことだけはわかります。
あれを目の前にすると、誰でも「うわあ!」「おお!」という声が漏れ、しばらくぼうぜんと立ち尽くします。
そういうすごさが太陽の塔にはあるのです。
太陽の塔を見ると「芸術は爆発だ!」と叫びたくなるから不思議です。
意味はわからなくても、そうした「圧倒される体験」が必要です。
まだまだ世の中にはすごいものがあると知るだけでも、成長です。
自分の理解を超えているものに触れるのは、驚きでもあるし、喜びでもあるし、感動でもあります。
わかることを鑑賞するのも大切ですが、わかるものばかりでは面白くありません。
そこで満足しないことです。
わからなくてもいいので、どしどしすごいものを見る機会を作ってください。
「うわ、何だかわからないけどすごい」という体験は、自分磨きに必要なことなのです。