階段でけがをしやすいのは、上がるときより下りるときです。
「階段の転落事故は、上がるときより下りるときのほうが4倍多い」というデータもあります。
階段を上がるときは、段差でつまずいたり足を滑らせたりしても、意外と大事には至りません。
転んだとしても、軽く膝を打つ程度で済む場合が多い。
上がるときは前のめりの姿勢です。
とっさに手をつけば、大きな事故にはつながりません。
一方、階段を下りるときは違います。
下りるときは、上がるときと違って、体が不安定です。
うっかり段差で足を滑らせると、そのまま滑り台のようにごろごろ転げ落ちやすい。
踊り場がなければ、一気に階段下まで転げ落ちます。
あなたも駅やデパートの階段で、ごろごろ転げ落ちている人を見たことがあるのではないでしょうか。
打ち所が悪いと大きなけがにもなりやすく、非常に危険なのです。
階段は、上がるときより下りるときのほうが楽です。
あまり力を入れることなく、すいすい下りられます。
しかし楽だからといって安心はできません。
階段の転倒事故は、上より下に向かっているときに起こることが多いのです。
これは仕事でも同じです。
楽なときほど注意しましょう。
気を抜いているときは「うっかり」が起こりやすいタイミングです。
山場を超えて「もう大丈夫」と油断すると、うっかりミスが起こり、思わぬ事態を招きます。
そういうときのミスにかぎって、大きなトラブルに発展しやすいもの。
山場を超えたとしても、油断せず、心を引き締めましょう。
最後まで気を抜きません。
大変なときより楽なときのほうが、リスクが大きいのです。