「親しき仲にも礼儀あり」という言葉があります。
親しみが過ぎて遠慮がなくなると不和の元になるから、親しい関係になっても礼儀を大切にしましょうということです。
初対面のときは誰でも相手に気を遣い、礼儀を意識しますが、親しくなるにつれて態度が柔らかくなっていきます。
お互いを知り、理解が深まってくると、次第に態度が砕けてくるもの。
それは普通のことであり、悪いことではありませんが、ここで「礼儀」まで忘れることになってはいけません。
親しい関係になったとしても、やはり人との付き合いであることに変わりはありません。
なれなれしい態度が強くなると、相手はむっとします。
せっかく親しくなれても、礼儀を忘れてなれなれしい態度になっては、関係が台無しになるのです。
品のない人は、親しくなって礼儀を忘れてしまうのです。
「すっかり親しくなったのだから、礼儀なんてどうでもいいだろう」と考えます。
態度が雑になったり、言葉遣いが乱暴になったり、感謝の言葉がなくなったりします。
相手に迷惑をかけることがあっても「私とあなたの仲なんだから別にこれくらいいいじゃないか」と謝りません。
礼儀のない接し方をされると、誰でも不快感を覚えます。
せっかく仲が良くなっても、亀裂が入り、最終的に関係が決裂するのです。
品がある人は、親しくなっても、礼儀は忘れません。
ある程度態度が柔らかくなったり砕けた話し方になったりすることはありますが、最低限の礼儀は忘れません。
お世話になったときはきちんと感謝の言葉を伝えます。
相手に迷惑をかけることがあれば、きちんと頭を下げて謝ります。
親しくなっても、きちんと礼儀のある態度を心がけるので、関係が長く続きます。
「親しき仲にも礼儀あり」という格言は、品を身につけるうえで欠かせない言葉なのです。