相手の所有物を捨てるときは、一声かけるようにしましょう。
相手の所有物は相手のもの。
小さなものや軽いものであっても、相手の財産です。
特に注意したいのは、古いものです。
すでに機能性が失われているものなら、必要ないように思えます。
「ぼろぼろだから捨てても問題ないだろう」と思う人も多いのではないでしょうか。
しかし勝手に捨てると、トラブルに発展することがあります。
故障や破損をしているものでも、相手にとってはまだ必要としている可能性もあります。
たとえば、穴の空いた靴下です。
洗濯のとき、穴の空いた靴下に気づけば、相手の所有物でも捨ててもいいだろうと思う人もいるかもしれません。
しかし、たとえ穴の空いた靴下であれ、私有財産の1つです。
穴の空いた靴下でも、相手は「まだ使える」と思って履き続けるかもしれません。
たとえ捨ててよいものであっても「無断で捨てた」という行為に腹を立て、トラブルに発展することもあるでしょう。
そのため、穴の空いた靴下であっても、やはり一声かけて、許可をもらってから捨てるのが適切です。
靴下に限らず、ぼろぼろのものはすべて同じです。
壊れた腕時計でも、実は誰かの形見なのかもしれません。
穴の空いたジーンズでも、実はビンテージなのかもしれません。
すっかり色あせた新聞でも、実は大事な記事を残しているのかもしれません。
実際のところ、必要かどうかは見た目だけで判断できません。
どれだけぼろぼろのものであっても、捨てる前には相手の許可を得ておくことが必要不可欠です。
もしぼろぼろであるにもかかわらず、かたくなに使い続けようとするなら、説得が大切です。
「捨てたほうがいい」と言うだけでは、なかなか応じてくれないときもあるでしょう。
こうしたときは、相手を尊重する言い方をすると、上手に説得しやすくなります。
「立派なあなたに、穴の空いた靴下は似合わない」
「きれいな靴下を履いているほうが、仕事のできる人に見えるよ」
「穴の空いた靴下より、きちんとした靴下を履いていたほうが、もっと好きになれるな」
相手の自尊心をくすぐるような言い方をすると、心を動かされ、素直に応じてもらいやすくなります。