極度に緊張したときの反応は、人によってさまざまです。
大量に汗をかく、手足が震える、息苦しくなる。
なかでも不思議なのは「涙が出る」という反応です。
涙を流す場面といえば、悲しいときや感動したときが一般的です。
悲しくないにもかかわらず、自然と涙が出るのは、不思議な反応です。
なぜ極度に緊張すると、涙が出るのか。
それは、極度の緊張によって交感神経が強く刺激された結果、涙腺が緩くなるからです。
人は、緊張によって交感神経が強く刺激されると、臨戦態勢に向けた反応が出るようになります。
発汗、体温や心拍数の上昇なども、臨戦態勢に向けて交感神経が刺激された結果です。
ただし、極度に交感神経が刺激されると、その影響がさらに広がり、涙腺まで刺激されることがあります。
その結果、悲しくなくても、自然と涙が出るのです。
緊張で涙を流すときは、声を出した激しい泣き方ではなく、涙だけ出る静かな泣き方になるのが特徴です。
ただし、涙腺の緩み方は個人差があります。
少し緊張するだけで涙腺が緩む人もいれば、どんなに緊張しても涙腺が緩まない人もいます。
普段ささいな動揺で目が潤みやすいなら、緊張したときも涙が出やすい傾向があるため、注意が必要です。
涙を抑えるなら、リラックスを促すのが一般的な方法です。
気持ちを落ち着かせることが、緊張による涙を抑えることにもつながります。
深呼吸・マッサージ・ストレッチ体操。
考え方をポジティブにするだけでも、涙を止める効果があります。
ありきたりな方法ですが、手軽で副作用もなく安全です。
もっと徹底した対策を求めるなら「薬の力を借りる」という選択肢もあります。
いわゆる、精神安定剤です。
精神安定剤は、緊張による涙を抑えることにも効果があります。
本番の数時間前に薬を飲めば、しばらく効果が持続します。