緊張したとき、手足が冷えた経験はありませんか。
別に寒い環境でもないのに、緊張したときに限って、手足が冷えることがあります。
触ってみると、気のせいではなく、本当に冷たい。
もともと冷え性なら、一段と冷えが悪化して、氷のように冷たくなるでしょう。
緊張の度合いが強ければ強いほど、冷える傾向があります。
さて、ここで素朴な疑問です。
なぜ緊張すると、手足が冷えるのでしょうか。
まず大切なのは、緊張したときに手足が冷えるのは、病気ではなく、誰にでも起こる自然の現象です。
人体の血液の巡り方は、状況に応じて変化する特徴があります。
たとえば、食後です。
食事した後は、食べ物を消化する必要があるため、胃腸に血液が集中するようになります。
食事の後、ぼうっとしたり眠くなったりした経験も多いでしょう。
食後の眠気は、胃腸に血液が集中した分、脳の血液が減った影響です。
緊張したときに手足が冷える現象は、食後に眠くなる現象と原理は同じです。
緊張したときも、体の血液の巡り方が偏ります。
緊張しているときは、脳の活動が活発になるため、脳に多くの血液が集中します。
脳に血液が集中した分だけ、手足を巡る血液量が減り、結果として手足が冷えるのです。
体の末端であればあるほど、血の巡りが悪くなるので、冷たくなります。
もともと冷え性の人は悪化しやすいため、特に注意が必要です。
あくまで自然な体の現象なので、さほど心配をする必要はないでしょう。
緊張が解消されれば、元に戻ります。