人生は、いつ何があるかわかりません。
自分はまだまだ長生きすると思っても、ある日突然、不幸が襲うことがあります。
そのときになって考えればいいと思いますが、そうもいかない場合があります。
意識がなかったり、すでに死んでいたりする場合です。
可能性は低いですが、ゼロではありません。
突然の状況を考えて、前もって話し合っておきたい話題が、2つあります。
急な事故によって、延命治療が必要になることがあります。
たとえば、脳死です。
脳死とは、脳幹を含めた脳全体の機能が完全に失われ、回復ができなくなった状態のことをいいます。
医療機器によって、何とか命を取り留めている状態です。
医療機器を外せば、死んでしまいます。
脳は一度死んでしまうと、現在の医学では、生き返らせることは不可能です。
脳死になった場合、医師から延命治療を続けるかどうか、相談されます。
本来なら、本人の考えを尊重すべきですが、それすらできない状況です。
これは大きな負担です。
家族が生死の判断をしなければいけません。
いつまでも生きてほしいという気持ちはあるでしょう。
一方、延命治療には多額のお金がかかるため、家族にとって大きな負担になるのもたしかです。
そうした延命治療の話がスムーズに進められるよう、自分が脳死になったときについて、家族と話をしておくのです。
延命治療を望むのか、望まないのかです。
生前に考えを伝えておけば、家族の負担も小さくなります。
臓器移植とは、病気や事故によって損なわれた臓器や組織を、手術によって、ほかの患者へ移植することをいいます。
どうせ自分が死ぬなら、治療を待つほかの患者に臓器を提供して、命の手助けになりたいということです。
臓器を提供するのも、しないのも、自由です。
臓器提供カードで考えを持つのもいいですが、まず家族ときちんと話し合っておくといいでしょう。
もし自分が死んでしまうことがあったとき、臓器をどうするかです。
延命治療にせよ、臓器提供にせよ、不謹慎な話題で言いにくいですが、可能性はゼロではありません。
万が一を考え、家族で話し合っておきましょう。