残念ながら、すべての年配者が前向きとは限りません。
年配者の中には、晩年の生き方を諦める人がいます。
やりたいことがなかったり重い病になったりすると、ふと、ネガティブな言葉を口にします。
「早く死にたい」です。
本人は、ただ思ったことを正直に口にしたのでしょう。
もちろん本人の人生ですから「早く死にたい」と思うのも、自由です。
死に方は、本人の権利の1つです。
しかし「早く死にたい」と思っても、とりわけ家族の前で堂々と口に出すのは、控えるようにしましょう。
身内が早く死にたいと言えば、家族全体に悪い雰囲気を与えるからです。
想像してみてください。
「早く死にたい」と言われた、家族の気持ちを。
親が「早く死にたい」ということは、残された人に向かって「君たちの未来も暗いよ」と言っているようなものです。
親が暗いことを口にすると、残されたパートナーは「どう生きていけばいいのか」と絶望します。
これからを担う子どもたちも、明るい未来が描けなくなります。
「大人になるのが怖いな」「未来が不安だな」と思ってしまいます。
子どもたちの生きる力まで奪ってしまうのです。
だからこそ、家族の前では「死にたい」は、禁句です。
どうしても口にしたければ、医者の前です。
寿命は、天に任せることです。