友人と話をしていると、同じ質問をされることがあります。
こんなとき「同じ話を繰り返すのは面倒」と思うと、つい言いそうになる言葉があります。
「前にも言ったよね」です。
前にも言ったことを気づかせ、同じことを繰り返さないでほしいためです。
このときが大切です。
「前にも言ったよね」は、いわば説教です。
「前にも言ったぞ。知らないとは言わせないぞ。同じことを言わせるな。お前は頭が悪いのか」
相手を見下したニュアンスだけでなく、不快になっている印象まで伝わります。
「前にも言ったよね」と言われた人の気持ちを考えてみてください。
聞きたいことがあっても「同じ質問をすれば、また怒られる。自由に発言できない」と思います。
話しかけづらくなるのです。
「前にも言ったよね」という人には悪気はないのでしょうが、人間関係にひびを入れる言葉です。
主張が正しいかどうかではありません。
感じのいい発言かどうかです。
主張が正しくても、人間関係では言わないほうがいい言葉なのです。
では、前にも言ったことを伝えるにはどうすればいいのかというと、また言えばいいのです。
以前に話したことでも、もう一度同じことを言います。
2回でも、3回でも言うのです。
繰り返し話すのが面倒と思うのではなく「自分にとっても再確認の機会になる」と考えます。
何度も話しているうちに、相手は「おや。聞き覚えのある話だ。わざわざ繰り返してくれているんだな」と気づきます。
同じことを聞いた自分を恥じ、自己反省するでしょう。
相手を傷つけることなく「前にも言ったよ」というニュアンスを伝えることができるのです。