「弱音を吐くな」と言う人がいます。
それはいかがなものでしょうか。
「弱音を吐くな」と言う人は、今まで一度も弱音を吐いたことがないのでしょうか。
いいえ、そんなことはないはずです。
「弱音を吐くな」と言う人だって、過去には弱音を吐いたことが何度もあるはずです。
弱音を吐くこともあっていいのではないでしょうか。
強がってばかりでは疲れます。
人間ですから、弱音を吐きたいときもあります。
人はもともと弱い生き物なのですから、士気が落ちたり、気力が萎えたり、心がひるんだりすることはあります。
「つらいなあ」「嫌なだなあ」「気が進まないなあ」と思うこともあって当然です。
弱音を吐かないと、気を張ったままになります。
ずっと歯を食いしばった状態でなければいけません。
これほど疲れることはありません。
緊張状態が続くと、肉体的にも精神的にも疲れやすくなります。
弱音を吐かないと、ストレスも心のごみも吐き出せません。
ずっと心の中にため込むのは、健康によくありません。
眉間にしわが寄って、口角が下がって、老けやすくなります。
弱音を吐かないでいると、あるとき限界に達し、心がぽきっと折れてしまうのです。
だから弱音を吐くのです。
弱音を吐きたいときは、吐きましょう。
弱音を吐けない場所があるなら、しばらくしてから弱音を吐ける人のところに行って、たくさん話を聞いてもらうのです。
弱音を吐くと、ほっとできるし、少し元気も出ます。
本音だからです。
ありのままの自分を見せると楽になります。
弱音には、心のバランスを調整する役割があります。
気持ちを吐き出すことは大切です。
リラックスできて、心が弛緩します。
人の悪口を言うのはNGですが、弱音を言うのは悪いことではありません。
一言も弱音を吐かない人より、ときどき弱音を吐く人のほうがよほど人間らしいのです。
ときどき弱音を吐いて、やるときはやるのです。
取り組まなければいけない仕事があるなら、弱音を吐いてから、取り組みましょう。
「やりたくないなあ」「うまくいくかなあ」「ダメかもしれないなあ」と言いつつ、全力で取り組みます。
勝負所では、しっかりフルパワー全開です。
弱音を吐いても、きちんとやるべきことができていれば、文句はありません。
弱音を吐く自分を認めましょう。
人は、弱音を吐くことがあるから、頑張れます。
弱音を吐く人は、心がぽきっと折れることはありません。