突然、目の前に食べるものが現れます。
親が作ってくれた手料理、レストランで注文した料理、スーパーで売られているお弁当。
手品のようにぱっと現れますが、実際は違います。
そこに至る前までには、いくつものプロセスがあり、携わった人たちがいます。
「育ててくれた人」「運んでくれた人」「作ってくれた人」です。
食事をしながら、携わった人たちの顔や働きぶりを思い浮かべてみてください。
想像でかまいません。
正確なイメージではないかもしれませんが、自分なりの想像でOKです。
米・野菜・果物であれば、それを育ててくれた人がいるということです。
急に育つわけではなく、時間をかけて育ててくれました。
田畑から収穫した人がいて、卸売り、小売り、スーパーへと運んでくれた人がいます。
愛情を注いで育て、一つ一つ収穫して、商品に傷がつかないよう丁寧に運んでくれました。
それら食材を買って、調理場で調理してくれた人がいます。
料理の勉強をして、おいしくなるように手間暇をかけて作ってくれました。
すべてのプロセスで関わる人たちを合計すると、数十人や数百人という大勢が関わっているでしょう。
たった1つの食べ物とはいえ、大勢の人が携わった結果です。
目の前にパンがあるとします。
パンであれば、パンに携わる人たちの様子をできるだけ思い浮かべてみます。
水や肥料をやって穀物を育て、収穫している人を思い浮かべてみます。
卸売りから小売りに運ぶ人がいます。
パン屋で小麦粉から発酵させて、おいしくなるよう味付けをして作っている人がいます。
そうした人たちの様子を思い浮かべてみます。
お店のフロントで直接作っているものなら、一部だけでも目視ができるので想像しやすいでしょう。
目の届かないバックヤードであっても、想像をしてみることが大切です。
ぼんやりとした抽象的なイメージになるかもしれませんが、それでもいいのです。
面識はなくても、知り合いでもありませんが、感謝の念を持つことは素晴らしいことです。
たかがパン1つとはいえ、穀物の栽培、収穫、運搬、調理といった長いプロセスがあります。
1つの食べ物には、多くの人たちによる手が加わっています。
仕事の連携プレーであり、多大な苦労のたまものです。
食事の際、携わった人たちの様子を思い浮かべてください。
育ててくれた人、運んでくれた人、作ってくれた人の様子を思い浮かべれば、ますますおいしく味わえます。
大切なことは「感謝の念を持つこと」です。
真剣な表情で一生懸命仕事をしている様子を想像します。
「食べることができるのはなんてありがたいのだろう」と思えてくるでしょう。
食への感謝は、いついかなるときも忘れてはなりません。
あなたの目の前にある食べ物は、多大な時間と労力の末に出来上がった、素晴らしい結果です。