「食日記」という言葉を聞いたことはありますか。
別に特別な言葉ではありません。
日々の出来事を書き記したものといえば日記ですが、その「食バージョン」です。
食日記は、私たちに素晴らしい気づきを与えてくれるツールです。
言葉は聞き慣れないかもしれませんが、その効果は計り知れません。
食日記の最大のメリットは「自分の食生活が可視化できる」という点です。
飲食行為は毎日行われていることですが、意外ときちんと把握していることは少ないものです。
「きちんと栄養を取っているつもり」
「あまり野菜を食べていない気がする」
「最近パンを食べることが多いかもしれない」
「つもり」「気がする」「かもしれない」など、ぼんやりした程度でしか把握していないことが多いのではないでしょうか。
昨日の食事は覚えていても、2日前・3日前の食事となると、かなり記憶が曖昧になるでしょう。
ましてや1週間前・1カ月前の食事となると、もはやほとんどの人が覚えていないはずです。
意外と自分の食生活は、わかっているようでわかっていないもの。
そこで役立つのが「食日記」です。
食日記をつけると、自分の食べたものがはっきり目で確認できるようになります。
可視化することで客観的に自分の食生活を振り返れます。
食日記をつければ、消さないかぎり残り続けます。
記憶は、時間が経てば忘れますが、記録は時間が経っても消えません。
記憶の力に頼らなくても、記録の力に頼ればいいのです。
面倒な気持ちがあるなら、期間を設けてみてはいかがでしょうか。
「1カ月限定」「3カ月限定」といった期間限定でチャレンジすれば、敷居が下がって取り組みやすくなるでしょう。
たった1カ月でも、あなたの食生活を振り返るには十分な記録量です。
普段から日記をつけているなら、食事内容について書く項目を追加すればいいでしょう。
日記をつけていないなら、ノートを1冊用意して、それを食日記とすればOKです。
カレンダーがあるなら、余白に書き込んでみるのもOKです。
アナログにこだわらず、デジタルで記録するのもよいアイデアです。
大切なことは「食べたものを記録すること」です。
どんな方法でもいいので、食べたものを記録してみてください。
書き方は、シンプルな箇条書きで十分です。
3食の食事はもちろんのこと、間食や外食も記録しましょう。
外食の場合は、お店の名前も記録に残すと、ますます具体的になります。
食日記をつけて振り返ってみると、何らかのパターンに気づくことがあります。
「朝食より夕食のほうが多い」
「最近は、肉ばかり食べていて、あまり野菜を取っていないね」
「外食で行くお店はいつも同じだね」
パターンがわかれば、改善点も見えてきます。
朝食より夕食のほうが多いとわかれば、夕食の量を控えめにして、朝食を増やせばいいでしょう。
肉ばかり食べていて、あまり野菜を取っていないなら、野菜を多めに取るといいでしょう。
外食で行くお店はいつも同じとわかれば、たまには新しいお店にチャレンジしてみるといいでしょう。
食生活の可視化を恐れないでください。
気づきが生まれ、改善が促され、自分に対する理解も深まります。
食日記は、健全な食生活を促す習慣です。
健全な食生活を実現するためにも、一度取り組んでみて損はありません。