「頭を柔らかくしたい!」
そう思ったとき、まず知っておきたい大前提があります。
それは「生まれたときから頭の固い人はいない」という事実です。
私たちは誰でも最初、柔らかい頭を持っていました。
幼い頃は、素直で従順でした。
自由で柔軟な発想力がありました。
誰もが無知から始まり、常識も先入観もありませんでした。
あなたも幼少期は、すこぶる素直だったはずです。
素直に親の言うことを聞いていたことでしょう。
邪念がなく、真っ白な心を持っていたでしょう。
柔軟性に富んだ思考と発想があったはずです。
教えられたことは、何の疑いもなく、どんどん吸収していったはずです。
ところが、知識や常識を身につけていくにつれて、だんだん固定的な考え方を持つようになります。
知識を身につけるにつれて、偏見や固定観念を持つようになります。
常識を身につけるにつれて、常識に従った考え方しかできなくなります。
「これが正しい、間違っている」
「これは良い、これは悪い」
「こうしたほうがいい、こうしないほうがいい。」
知識や常識を身につけるにつれて、型にはまった考えにはまるようになります。
こだわりが増えたり、理屈っぽくなったり、成否や善悪を区別するようになったりします。
時には自分の知識や常識を振りかざして、人を攻撃することもあるかもしれません。
知識や常識は、生活をスムーズにする働きがある一方、思考の制限に変わっていることも少なくありません。
気づけば、頭が固くなっているのです。
頭が固くなる現象は、後天的です。
「知識や常識は、偏見の一種」と言っても過言ではありません。
そのため、頭を柔らかくするためには、固くなった頭をほぐす必要があります。
あなたは今、頭が固い自分に悩んでいるのかもしれません。
頭が固くなったとはいえ、柔らかくできないわけではありません。
どんなに頭が固くなっても、柔軟性がゼロになることはありません。
脳には順応性があり、適応力を発揮することができます。
頭の中にある知識や常識を消去するのは困難ですが、知識や常識の扱い方なら工夫できます。
知識や常識を身につけていても、無視すればいい。
こだわりがあるなら、捨ててしまえばいい。
価値観があっても、気にしないようにすればいい。
知識や常識を身につけたから、もうダメと諦めないでください。
あなたは一度柔らかい頭を持っていたのですから、昔を思い出して、取り戻せばいいのです。
大人になった今からでも、個人の努力によって、頭を柔らかくすることが可能なのです。