「コーヒーを飲むと、身長が伸びなくなる」
身長にまつわる噂の1つとして、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
子どもがコーヒーを飲もうとすると、大人から「やめなさい」と叱られた経験を持つ人もいるかもしれません。
コーヒーは、ブラックで飲む場合、苦みが特徴的です。
黒い液体なので、どことなく体に悪そうな印象を持つ人も多いでしょう。
実際のところ、コーヒーを飲むと身長が伸びなくなるのは本当なのでしょうか。
まずコーヒーに、身長が伸びなくなる成分が含まれているわけではありません。
子どものころからコーヒーを飲んでいる人でも、身長が高くなった人は大勢います。
「コーヒーを飲むと、身長が伸びなくなる」という話は、俗説の1つと考えていいでしょう。
ただし、まったく根拠がゼロというわけでもありません。
こうした噂が出回るようになった原因は、コーヒーに含まれている「カフェイン」に関係があります。
カフェインには覚醒作用があります。
特に子どもの場合は体が未成熟のため、カフェインによる覚醒作用を大人より強く受けます。
夕方以降にコーヒーを飲むと、カフェインによる覚醒作用によって目がさえます。
夜更かしや睡眠不足に陥り、成長ホルモンの分泌が悪くなった結果、身長に悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため「コーヒーを飲むと、身長が伸びない」という噂が広まるようになったとされています。
コーヒーは飲み方さえ注意すれば、安全な飲み物です。
もちろん妊婦や赤ちゃんにコーヒーは厳禁ですが、適量の範囲なら、子どもでも安心して飲めます。
12歳以上で体重が50キログラムを越えていれば、大人と同じように コーヒーを飲んでもよいとされています。
「コーヒーを飲むと身長が伸びない」と思い込むのはよくありません。
むしろコーヒーは、飲み方を意識すれば、学生にとって強い武器にもなります。
たとえば、勉強するときにコーヒーを飲めば、カフェインによる覚醒作用によって、思考力や集中力が向上するでしょう。
コーヒーの香りには、脳の働きを上げる効果も確認されています。
またコーヒーは、適量の範囲なら、健康にもよいとされています。
コーヒーに含まれる「クロロゲン酸」と呼ばれるポリフェノールは抗酸化物質であり、健康維持に効果的です。
カフェインの作用は6時間ほど続くとされているため、就寝の6時間前からはカフェインを控えておくと安心です。
どうしても夜にコーヒーを飲みたいなら、ノンカフェインのコーヒーがおすすめです。
味は普通のコーヒーと変わらず、特別値段が高いわけでもありません。
カフェインがなければ、覚醒作用で悩まされることもありません。
「絶対コーヒーを飲んではいけない」と決め付けるのではありません。
コーヒーに対する正しい知識を得て、賢い飲み方を心がけることが大切です。