「身長を伸ばすには、牛乳を飲むとよい」
「牛乳を飲めば飲むほど、身長は伸びやすくなる」
「牛乳をたくさん飲んで、身長を伸ばそう」
牛乳をたくさん飲むと身長が伸びるといった噂を、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
たしかに牛乳には、身長を伸ばすために有効なタンパク質やカルシウムの含有率が高い飲み物です。
「牛乳を飲んでいたら身長が伸びた」という体験談もよく聞きます。
育ち盛りの時期にしっかりカルシウムを取っておかないと、将来、骨粗鬆症になるリスクも高まるのも事実。
思春期には、水の代わりとして牛乳を与えている親も多いでしょう。
実際のところ、牛乳をたくさん飲むと、身長は伸びやすくなるのでしょうか。
結論から言うと、牛乳は効果的であるのは事実ですが、牛乳だけではいけません。
牛乳は、カロリーがある上、満腹感が得られやすい飲み物でもあります。
牛乳ばかりを飲んでいると、肝心の主食が食べにくくなり、結果として栄養バランスが崩れる恐れがあります。
タンパク質やカルシウムを補うことができても、全体の栄養バランスが崩れては、かえって身長の増加を妨げます。
また体質によっては、牛乳が合わない人もいます。
牛乳には「乳糖」という糖質が含まれていますが、これを分解する酵素「ラクターゼ」が体質的に少ない人がいます。
牛乳を飲むとおなかの調子が悪くなるなら、体質的に牛乳が合わない可能性が高いと言えるでしょう。
タンパク質やカルシウムの含有率が高い飲み物であっても、下痢ぎみになるのはよくありません。
栄養の吸収を妨げるだけでなく、栄養の排出まで促す二重の悪影響があるため、ますます成長の妨げになるのです。
喉が渇いたとき、普通に牛乳を飲む程度ならいいですが、無理をして牛乳ばかり飲むのはよくありません。
また体質的に合わない人は、思い切って牛乳を飲まないほうがよい場合もあります。
「牛乳を飲めば飲むほど、身長は伸びやすくなる」と単純に思い込み、ひたすら牛乳ばかり飲むのは注意が必要です。