社会人らしさが現れやすい場面。
それが、退職です。
「もう終わりだからどうでもいい」と考える人もいれば「終わりだからこそきちんとしたい」という人もいるでしょう。
退職を切り出す前に確認したいのは、退職する意志の強さです。
「本当に退職したいのか」
「退職しても後悔しないか」
円満退職に必要なことは、大きく言うと、2つだけです。
「言い方」と「段取り」です。
この2つがすべてと言っても過言ではありません。
退職をするときの最初の課題は、お金です。
退職をするなら、お金は大丈夫でしょうか。
再就職が決まっているなら、まだいいのです。
審査が必要になる契約は、在職中に済ませるのが無難です。
たとえば、クレジットカードの契約、住宅の購入、引っ越しなどです。
退職をして無職の状態では、審査の通過が厳しくなります。
退職は、しやすい時期としにくい時期があります。
仕事を辞める時期は自由ですが、できるだけ風波が立たない退職がいいでしょう。
まったく迷惑をかけずに退職するのは難しくても、できるだけ迷惑が少ないタイミングを配慮するのがマナーです。
転職をするときに気をつけたいのは、退職を申し出るタイミングです。
不適切なのは、やはり急な退職です。
「今週中に退職したい」「今すぐ退職したい」など、急な退職をお願いしても、職場に迷惑がかかります。
退職の相談は、いつまでにすればいいのでしょうか。
まず確認したいのが、就業規則です。
就業規則に、退職に関する規定が記載されているはずです。
退職すると決めたとき、最初に報告すべき相手に迷うことがあります。
「最終的に全員に知られるわけだから、誰からでもかまわないのではないか」
そう思う人もいるかもしれませんが、ちょっと待ってください。
退職を切り出すべき最初の相手は、直属の上司です。
まず話し合う日程の相談は、仕事中でもかまいません。
「今後について大切なご相談があります。ご都合のよい時間はありますでしょうか」
退職を切り出すべき最初の相手は、直属の上司です。
このとき、退職を断言した言い方には注意が必要です。
「何が何でも、絶対辞めます」
退職理由は、正直に伝えることが大切です。
退職理由によっては、相手を不快にさせる内容もあるため、正直に言いにくいと思うかもしれません。
適当な嘘をついて、穏便に切り抜けようと考える人もいるでしょう。
退職を直属の上司に切り出したとき、引き止められることがあります。
ネガティブに引き止められることもあるでしょう。
「恩を仇で返すつもりなのか」と叱られるように言われると、つい弱気になる人もいるかもしれません。
上司と何度か退職の相談をして了承が得られれば、次は退職日の相談です。
退職日にも、注意したい言い方があります。
避けたいのは、一方的な言い方です。
まず退職願は、必ず提出しなければいけない書類ではありません。
退職の考えを伝えられるなら、口頭だけでも可能です。
口頭によって退職を伝える方法は、法律上でも認められています。
退職する時期を迷わせるのが、ボーナスです。
退職をするときの最初の課題は、お金です。
ボーナスをもらえるかどうかは、退職後の生活に関わる重要なポイントでしょう。
退職が決まったとたん、急に仕事の対応が悪くなっていませんか。
「辞めるのだから、後のことはどうでもいい」
「自分が失敗しても、誰かが責任を取ってくれるはず」
退職願が正式に受理され、退職日が決まれば、次にするのは引き継ぎです。
退職が決まれば、引き継ぎをしっかりしましょう。
退職後のことで頭がいっぱいになりそうですが、無責任な態度はよくありません。
退職日が決まれば、引き継ぎ作業です。
できる範囲から、後任者に引き継いでいきましょう。
このときに配慮したいのが、後任者の負担です。
引き継ぎでは、引き継ぎ資料も作っておきましょう。
口頭だけの引き継ぎでは不十分です。
人間は、忘れる生き物です。
退職が決まったからと言って、すぐ周りに公言するのはよくありません。
同僚や部下への公言は、早いほうがいいとは限らない。
不適切な時期に公言すると、職場に混乱を招いたり、取引先に迷惑をかけたりすることがあります。
会社から借りているものは、会社の所有物です。
退職するとき、会社から借りているものは、すべて会社に返却しましょう。
会社の社会保険に加入して健康保険証を発行している場合、退職後は使えなくなるため、返却が必要です。
退職するときに、会社から受け取るものも要チェックです。
必要なものを受け取っておかないと、転職や失業保険の手続きでつまずくことがあります。
再就職した場合は、転職先の年末調整など、税金の手続きに必要です。
退職するときには、退職願が必要と思い込んでいませんか。
たしかに退職といえば、退職願を提出するのが一般的です。
しかし実は、退職願が必要ない退職もあります。
退職すれば、契約上、会社の社員ではなくなります。
しかし、退職したからとはいえ、会社の秘密を自由に言ってもよいわけではありません。
業務で知り得た機密情報は、退職後も口外は厳禁です。
あなたが退職した後、職場で何らかの不明点が出てくる可能性があります。
後任者にすべて引き継いだつもりでも、漏れることもあるでしょう。
多くの場合は、職場で解決できるはずですが、どうしても解決が難しいこともあります。
退職が決まれば、できるだけ新しい仕事は引き受けないようにしましょう。
引き受けると、その仕事が完了するまで拘束されるため、退職や引き継ぎに支障が出る可能性があります。
これは、仕事の責任を放棄するわけではありません。
退職を申し出るとき、すでに再就職が決まっていることもあるでしょう。
そこでよくあるのが、次に入社する企業名の質問です。
上司や同僚から「転職先はどこですか」と質問をされると、答えるべきか迷うところではないでしょうか。
職場によっては、退職にまつわるトラブルに巻き込まれる場合があるようです。
・退職したくても、させてもらえない
・退職を申し出ると、支給されるはずのボーナスを取り消された
「いつの間にかいなくなった」
そんな状態だけは避けたいところです。
こっそりいなくなる退職では、社会人としての常識を疑われるでしょう。