後輩から人生の相談をされたとき、つい言ってしまうフレーズがあります。
「人生はそんなに甘くない」です。
後輩が、大げさな話をすると、社会を軽視している印象を受けることがあります。
そのため、先輩である私たちは、つい感情的に反論したくなるのです。
先輩としては、厳しい言葉で、後輩に活を入れたつもりです。
この言葉に奮起して、後輩たちは自分の甘い考えに気づき、考え方を改めるだろうと思います。
しかし、意外にこの言葉は、空振りをする場合が多いのです。
あなたが子どものころ、大人から「人生はそんなに甘くない」と言われたときのことを思い出してください。
あまりよい印象は受けなかったはずです。
「うまく話をぼかされた」「感情的に反論された」「意味がわからない」などと思ったのではないでしょうか。
ということは、あなたがこのフレーズを後輩に使うときも、同じことを思われるのです。
先輩としては後輩の前で、威厳を見せながら奮起させるつもりで言うのですが、思ったほど効果がありません。
むしろ、陰では「偉そうなことを言って感じが悪いな」「参考にならない意見だ」と思われているでしょう。
では、後輩を奮起させるにはどうすればいいのか。
「人生はそんなに甘くない」と言うなら、自分の具体的な体験談をしましょう。
あなたが社会に出たときに、どんな経験をして、どれくらい苦労したのかを、具体的に話します。
体験談は、社会を具体的にイメージしやすいため「人生はそんなに甘くない」という意味を、よく伝えられます。
しかもイメージは、記憶によく残ります。
後輩にとっても、参考になりやすいのです。