ときどきざっくりした返事をする人がいます。
「ご出身はどちらですか」と聞くと「北海道」という返事が返ってきました。
一言で北海道といっても広いです。
小さな国に匹敵するほどの広さがあります。
「お仕事は何をされているのですか」と聞いたとき「IT関係です」という返事が返ってきました。
ITといっても幅が広く、ざっくりした印象を受けます。
もちろん回答を避けたい意図があってぼかすならいいのです、
私たちの会話では、それ以上聞いてほしくない話のとき、ざっくりした返事でぼかすことがあります。
これは会話における暗黙のルールです。
ざっくりした返事をすると、相手に「それ以上聞かないで」と誤解されてしまい、会話が続きにくくなるでしょう。
回答拒否のつもりでなくても、そういう拒否のニュアンスを与えてしまいかねません。
日頃からぼかす答え方が癖になっていると、いつの間にか会話が途切れる原因となります。
親しくなるチャンスを逃すことにもつながってしまいます。
「相手が知らないかもしれない」と思って詳細な返事を控えることもあるかもしれませんが、逆効果です。
相手が詳しく知らなければ、そのときあらためて話せばいいことです。
会話を弾ませていくためには、できるだけ詳しい返事を心がけましょう。
「ご出身はどちらですか」
「北海道の函館です」
「夜景のきれいなところで有名ですよね。まだ行ったことがなくて、いつか行ってみたいところなんです」
「ぜひいらしてください。五稜郭やトラピスト修道院も見応えがありますよ」
話が弾んで会話が広がります。
「お仕事は何をされているのですか」
「ウェブデザインの仕事をしています。ときどきプログラムを組むこともありますね」
「難しそうですね」
「慣れてしまえば簡単ですよ。もともと好きなことなので、遊んでいるような感覚で仕事をしています」
どんどん会話が弾んで止まらなくなっていくでしょう。
詳細な返事を心がけることで「もっと話したい!」というアピールとなります。
相手も「もっと詳しく聞いていいのだね」と思い、突っ込みやすくなります。
相手に突っ込んで聞いてもらいたいときは、あえて詳細な返事を答えたほうが話が弾んで、話題も広がりやすくなるのです。