褒めるのは、人間関係の潤滑油です。
誰でも褒められると嬉しく感じるもの。
「褒めると、相手は嬉しく感じるに違いない」
そう思って、手当たり次第に褒めようとするかもしれません。
もちろん褒めるのは悪くありませんが、注意したいマナーがあります。
目上の人を褒めてはいけません。
目上の人を褒めると、偉そうと思われ、むっとされるでしょう。
いまいち目上の人を褒めてはいけない感覚がわからないなら、言われる側に立つとわかります。
たとえば、あなたは職場のリーダーであり、部下から次のように褒められたとします。
「偉いですね」
「立派ですね」
「よく頑張りましたね」
「上出来です」
「なかなか筋がいいですね」
こう褒めると、どう感じるでしょうか。
おそらく一瞬むっとするでしょう。
褒められても嬉しくありません。
嬉しいどころか、不快に感じるでしょう。
「上から目線」を感じるからです。
自分が見下されて、ばかにされたように感じるのです。
褒める行為は本来、目上の人から目下の人に対してするものです。
そのため、褒めるなら、お互いの上下関係に注意しなくてはなりません。
うっかり目上の人を褒めると「偉そうで生意気」とひんしゅくを買うことになるでしょう。
良かれと思って褒めた結果、逆効果になるのです。
場合によっては、相手を怒らせてしまう可能性もゼロではありません。
ちょっとした一言が悪印象につながり、命取りになりかねません。
年齢が同じであっても、相手のほうが上の立場なら、露骨な褒め言葉は控えるのが正解です。
たとえ悪気がないとしても、言葉遣いを誤ると、誤解を生むことがあります。
目上の人を称賛するときは「褒める言葉」より「認める言葉」です。
「すごい」
「素晴らしい」
「いいですね」
「面白いですね」
「さすがですね」
「目からうろこが落ちました」
「かっこいいですね、かわいいですね」
認める言葉であれば、お互いの上下関係は関係ありません。
飾った言葉は不要です。
シンプルな言葉でいいので、きちんと認めることが大切です。
認めることは、褒めることにもなります。
誰でも自分の仕事を認められると嬉しく感じます。
認める言葉であれば、相手はにこにこしながら喜んでくれるはずです。