2010年は、これまでの常識を覆すテレビが登場しました。
3Dの映像を映し出すテレビの登場です。
従来のテレビといえば、平面に映し出された映像を見る形態が中心でした。
これまでにも、3Dによる映画やテレビがありましたが、いくつかの大きな問題がありました。
技術が発展途上であったため、一部の施設の利用などに限られ、庶民の暮らしまで広まることはありませんでした。
しかし、技術は進歩しました。
いまや、専用のメガネはもう不要です。
そのうえ、一般市民でも手に入れられる価格まで下がりました。
そうした理由から「2010年は3Dテレビの元年になるのではないか」といわれています。
20世紀中ごろに白黒テレビが登場して以来、目覚ましい進化です。
白黒テレビの後、カラーテレビが登場。
薄型テレビや大型テレビが登場。
今回、ついに3Dテレビが登場です。
3Dのテレビなら、従来のテレビとは異なり、立体感のある映像が見られるため、左右の目で見る映像の合成処理が行われます。
脳の健康面においてもいいのではないか、と思われます。
実際はどうでしょうか。
たしかに2Dの映像しか見られなかったテレビに比べれば、はるかに脳にはいいでしょう。
しかし、まだ足りないことがあります。
触覚・嗅覚・味覚の再現です。
3Dテレビの登場によって「音」と「映像」に関しては、現実味を帯びた画像を再現できるようになりました。
ですが、まだ本当の現実には追いついていません。
現実の世界は、五感を伴って感じられる世界です。
360度から聞こえる小鳥たちの声を聞きながら、野道にある草花を見つけ、手でつまんで、鼻でにおいを嗅いでみる。
そうした五感を通した刺激は、現在のテレビ技術ではできません。
もちろん人間の科学技術の進歩は、とどまることを知りません。
ゆくゆくは肌触り・におい・味まで体感できるスーパーテレビが登場する日が来ることでしょう。
現時点では「そんなまさか」と思いますが、それを実現させてきたのが、これまでの人類の歴史です。
しかし、登場するとしても、まだはるか先の話と考えていいでしょう。
私たちが生きている間にお目にかかれるとは限りません。
その日を待つのは、あまりに気の長い話だと思いませんか。
今育てている子どもが成人になり、老人になります。
もしかしたら、亡くなってしまった後かもしれません。
進化したテレビの登場を待つより、今すぐ外に出て遊んで経験を積むほうが、はるかに成長が早いのです。